大切な人の存在を問いかけさせる感動の物語―『四十九日のレシピ』

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 今年2月に出版されて以来、じわじわと人気を集め、多くの人の涙を誘っている小説といえばポプラ社から出版されている『四十九日のレシピ』(伊吹有喜/著) だ。
 テレビ番組や新聞の書評などで絶賛され、Amazonのカスタマーレビューでも読者から高い評価を受けている。

 この『四十九日のレシピ』の物語は、熱田家の母、乙美が亡くなるところから始まる。
 残された父、良平は気力を失い、最後に妻と交わした会話に後悔していた。乙美の義理の娘・百合子は旦那の若い愛人が妊娠し、離婚を決意して都会から実家に戻ってきている。
 そこに突然現れたのが真っ黒に日焼けした金髪ギャルの井本。乙美がボランティアをしていた施設で知り合ったという彼女は、もし自分が亡くなったら四十九日まで、家事や法事などの手伝いをしてほしいと乙美から頼まれていたという。

 そして井本から知らされる乙美が残した「レシピ」の存在。
 そこにはかわいい良平と百合子のイラストとともに料理や洗濯の仕方などが細かく丁寧に書かれていた。

 乙美が、家族に伝えたかった想いとは? 小さなエピソードの一つ一つが心温まるエンディングへとつながる。

 お葬式を終えたあとに行う「四十九日の法要」は、亡くなった人の魂を死から新しい生へと生まれ変わる準備期間を終え、あの世へ送り届けるという意味がある。
 自分の一番大切な人を大切にしているか、読みながら自分に問いかけてみて欲しい。読み終えた後、またすぐに読み返したくなる一冊だ。
(新刊JP編集部/川口絵里子)


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