“女性にモテる人間”は今も昔も変わらない?

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 『超訳 ニーチェの言葉』(白取春彦/訳、ディスカヴァー・トゥエンティワン/刊)がベストセラーとなり、若い世代の支持を得るようになった孤高の哲学者、フリードリヒ・ニーチェ。

 そのニーチェの故郷であるドイツでは、昔から「クニッゲ」と呼ばれるエチケットが存在するという。その中身は人づきあいや食事の作法まで幅広く、現在でもドイツ人の行動規範として大きな影響力を及ぼしている。
 この「クニッゲ」、実は18世紀の貴族アドルフ・F・V・クニッゲに由来するもので、彼の執筆した代表作“Über den Umgang mit Menschen”は、200年以上にわたり読み継がれるエチケットのバイブルとなっているのだ。

 この“Über den Umgang mit Menschen”を邦訳し、現代流にアレンジしたのがイースト・プレスの新刊『人間交際術』(服部千佳子/訳)である。ここでは本書の中から、個人的に印象に残った格言を抜粋して紹介しようと思う。

■「結婚相手は慎重に選ぶ」(p246)
 二人が正反対の嗜好や願望を持ち、別々の道理に従っているのは「実に悲惨な状況」であるクニッゲは言う。離婚率の上昇が懸念されている現代の家族のあり方を考えてしまう一文だ。

■「他人による他人の評価はあてにならない」(p150)
 誰かが誰かの悪口を言い、自分もその悪口の対象を嫌ってしまう。よくある話だが、クニッゲは警告する。「ほとんどの人は、その友人が言うほど素晴らしい人ではない代わり、その敵が言うほど悪い人でもありません。どちらも話半分で聞いておきましょう」。確かにそうかも知れない。

■服装で異性への印象は変わる(p272)
 清潔で趣味のよい服装は女性に気に入られるための重要な要素であるとクニッゲは断言する。これは現代でも全く同じ。つまるところ、数世紀前からモテるための原理原則は変わらないということだ。

 本書は「人づきあいが楽になる知恵」からはじまり、「どんな人ともうまくつきあえるコツ」「友人や家族、隣人、異性とのつきあい方」など全5章が成り、人との付き合い方が事細かく書かれている。
 特に異性交際に関する部分は、現代でも通用することばかり。男女の関係は時代も、地域もあまり変わらないことを痛感させられる。

 日本でも明治時代の文人・森鴎外が本書をネタにした『森鴎外の「知恵袋」』(講談社/刊)を著するなど、古くから親しまれている本書。上の3つの格言に1つでも共感するものがあれば、次は全体を通して読んでみて欲しい。
(新刊JP編集部/金井元貴)


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