ジョゼ・モウリーニョ監督の退任が決定的となったインテル。マッシモ・モラッティ会長はあまり話をする気がないようだ。26日、同会長は普段と違い、メディアに多くのコメントを残さなかった。同会長は「モウリーニョとの会談? 今日(26日)は予定していない」と述べるにとどまっている。

レアルは同日、フロレンティーノ・ペレス会長がモウリーニョ監督を招へいする意向を発表したが、インテル側に妥協するつもりはまったくないと見られる。モウリーニョ監督の契約を解消するために必要な1600万ユーロの補償金のことだ。

モウリーニョ監督は26日、インテルの“財務大臣”であるリナルド・ゲルフィ副会長のオフィスを訪れている。代理人のホルヘ・メンデス氏とともに、インテルと別れるための話し合いをするためだ。同監督はメディアに対し、「これから私はバカンスへ向かう。それからスペインで仕事をするだろう。インテルとはまだ終わっていないが、すべてが落ち着いているし、問題はない」とだけコメント。ミラノに残る可能性はないのかと尋ねた記者に対し、モウリーニョ監督は「それは不可能だ。不可能だよ」と答えている。

いずれにしても、状況はこう着したままだ。メンデス代理人と、ペレス会長の右腕であるホセ・アンヘル・サンチェス氏がミラノに来ても、補償金に関する状況は変わっていない。モラッティ会長とペレス会長は電話で会談しているが、モラッティ会長は時間を求めた。モウリーニョ監督も25日にマドリッド入りしてから、26日に再びミラノへ戻っている。自ら状況を打開するためだ。しかし、モラッティ会長は契約解除に関して時間と条件を求めている。

モラッティ会長はまずテクニカル・ディレクターのマルコ・ブランカ氏と会うことを望んでいる。レアルに補償金を支払うつもりがないため、選手の移籍が交渉に織り込まれるだろう。だが、レアル側はインテルMFリカルド・クアレスマの獲得を希望しておらず、せいぜい2000万ユーロでDFマイコンの獲得を検討している程度。そのため、クアレスマの代理人でもあるメンデス氏が、交渉に関わると見られている。クアレスマに関しては、マドリッドへ行かなければ、メンデス氏がフェネルバフチェからのオファーを受け入れるように説得するかもしれない。

状況が変わるのを待ちながら、モウリーニョ監督はピネティーナのオフィスを訪れた。自らの物を引き取るためだ。この日はマルコ・マテラッツィとルシオ、ダヴィデ・サントン、マイコンらがいたが、特にマイコンがいたことは移籍報道を加熱させるかに思われた。だが、マイコンはワールドカップへ向かう前に、私物を取りに来ただけだ。

一方、オランダでは、ヴェスレイ・スナイデルのコメントが報じられている。レアル・マドリー復帰の可能性も否定していなかった同選手だが、オランダのテレビ番組を通じ、「僕はインテルでとてもうまくいっている。3つのトロフィーを獲得したし、次はさらに3つを勝ち取りたい」と、移籍の可能性を否定した。