任天堂、ソニー、マイクロソフトなど、世界的に強力なハードメーカーの護送船団によって守られてきたゲーム業界。だが、昨今、携帯電話やネットブラウザを使ったゲーム、あるいはアップルの「iPhone/iPod (touch)」などの携帯端末も登場し、業界の市場状況が変化しつつある。この状況について、大手ソフトメーカーのトップはどう考えているのか。 2010年3月期末決算で2003年のグループ発足以来、最高の売上高、営業利益、経常利益を計上したスクウェア・エニックスホールディングスの和田洋一社長と、経営統合した2社をベースに今春「コーエーテクモゲームス」を発足させたコーエーテクモホールディングスの松原健二社長に話を聞いた。
(聞き手・構成/ジャーナリスト・石島照代)

石島:ゲーム業界は長い間、ハードメーカーを頂点とする護送船団の下でソフトメーカーが利益をあげる構図を保ってきました。いわば、ハードメーカーによるエコシステムが機能していたわけです。一方で、最近は携帯電話やネットブラウザを使ったゲーム、また、アップルの「iPhone/iPod (touch)」などの携帯端末も登場し、市場状況が変化しようとしています。今後、ゲーム業界にとっての市場はどう変化していくのでしょうか。

松原:ご指摘の通り、いわゆるソフトメーカーは、家庭用ゲーム機向けビジネスに特化してきたのは事実です。

 その一方で、ソーシャルネットワークゲームやブラウザゲーム、アップルの「iPhone/iPod (touch)」などのモバイルゲームなど新興市場が登場してきて、だいぶ世の中の話題にもなっています。ですが、それぞれのビジネスの市場規模が異なるにも関わらず、単純比較されすぎているな、というのが私の印象です。

和田:私は今後の市場の変化については、ビジネスモデルとコンテンツサービスデザインの2軸を分けて考える必要があると考えています。

 まずは、ビジネスモデルの軸から申し上げると、ダウンロードビジネスとパッケージビジネスの関係ですね。トレンドとして、パッケージビジネスはどうしても厳しくなりますし、ダウンロードビジネスは加速していく。これは時代の流れとして捉える必要があります。

 また、コンテンツサービスデザイン軸に関しては、従来のソフト制作がクリエイターサイドからの「プッシュ型」だったわけですが、これが今はユーザー同士のコミュニケーションをベースにした「コミュニティ型」に寄ってきているという感じがします。この2軸が混然と語られていることが理解を難しくしていますね。

 かつての映画業界も同じようなことが起きていました。ビジネスモデルの観点では、興行収入しかなく、行き詰まってしまったため、マルチウインドウ、つまり興行収入以外の収入も得られるようにしていった。おそらく、松原さんの所もそうだと思いますけど、基本的にあそこしかやらない、とかではなくなって、どこもバランスよくやるというのが、今後の経営方針になると思います。

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