北京市郊外の懐柔区瑠璃廟付近で22日午前、蛇の群れが路上を這っているのを、住民が見つけた。現地森林警察によると、蛇の総数は1500匹程度で、数百匹は自動車などに踏みつぶされた。中国新聞社などが報じた。

 動物好きの住民十数人が、蛇の死体を埋めたり、生きている蛇を道路の外に出したりしたが、翌日も一部の蛇が道路に残っていたという。

 森林警察の調べによると、蛇は毒を持たない種類で、特に多く集まっていた地点の近くに、発泡スチロールの箱10個が散乱していた。何者かが、故意に蛇を放したことは確実で、仏教などの宗教活動である「放生」を行ったとみられるという。警察は、蛇が大量に出現したのは人為的な原因によるもので、地震や自然現象は関係ないと表明。デマを信じたり、デマを広めることに加担しないでほしいと呼びかけた。

 警察は、「放生を行う場合、現地当局の野生動物保護部門に連絡して、指導を受ける必要がある。動物を野生に戻す場合、適した場所を選ぶことで、放された動物の生存率を高め、不要なパニックを防止することができる」との考えを示した。

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◆解説◆ 放生は、動物を解き放すことを「善行」とする、宗教的な理由にもとづく行為。通常は魚や亀、小鳥を放す。清朝末期に北京を訪れた外国人も、寺院の周囲に放生のための動物を売る店が繁盛していると、記録している。ただし、「こんなことをするから、捕らえられる動物がかえって多くなる」と批判的だ。(編集担当:如月隼人)



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