明治時代の武蔵野地域の自然が見事に写実された国木田独歩の『武蔵野』。
 その中にこんな一文がある。

 同二十六日――「午後林を訪(おとな)う。林の奥に座して四顧し、傾聴し、睇視し、黙想す」

 林の奥で、黙って考えに耽る独歩の姿。
 おそらくこんな感じだったのではないだろうか。

 
 いや、違う。ゼッタイ違う。

 私のことはさておき、今、「黙想」の習慣をつけることには大きな意味がある
 情報が溢れかえっている現代では、インプットした情報を取捨選択する時間、や一度自分をリセットする時間が重要である。大量の情報を得るのはいいが、自分にとって必要であるかどうかを吟味し、いらないものは忘れていかなくては、情報の海に溺れてしまう。

 ナナ・コーポレート・コミュニケーションから出版されている『頭を「空っぽ」にする技術』(藤井義彦/著)では、ビジネスパーソンにとって必要な「情報を噛み砕く時間」として、寝る前の15分で「黙想」することを提唱している。

 そこで、その効果を体感すべく、私が実際に本書の黙想法を試してみることになったというわけだ。


(1)楽な姿勢になり10回ほどゆっくりと大きく深呼吸を繰り返す。

 普段、あまり深呼吸をすることはないと思うが、実は健康にとても良いという。久しぶりに腹式呼吸をしただけあり、お腹の筋肉が攣りそうになる。最近の運動不足でお腹はたるんだが、一応筋肉はあるらしい。

(2)心が落ち着いてきたら、1日にあった「嫌なこと」を呼吸と一緒に吐き出す

 
 嫌なことは思い浮かべるだけでも嫌なものだが、それを呼吸と共に一気に吐き出してしまうイメージを持つ。少ししかめっ面しても問題なし。

 私の毎日は日々嫌なことばかりが起こるが、今日は新刊JP編集部・山田が飲んでいたトマトジュースをぶちまけ、私のジーパンがズブ濡れになるという「山田トマトジュースの変」を思い出す。

(3)呼吸はそのままで「楽しかった」「嬉しかった」ことをひとつずつ思い出す

 嫌なことを吐き出したら、次は楽しかったこと、嬉しかったことを思い出す。
 こうしてやってみると良いことは意外と多いものだ。例えば某スポーツのポテトチップスを買い、好きな球団の選手が出たときは嬉しい。そんな風に、小さな喜びや楽しみがたくさんあることに気付く。
 その中から1つを選ぶのは難しく、それを選ぶことすら楽しいので、思わずにやけてしまった。

 

(4)良いイメージを持ったまま就寝

 というわけで就寝前の「黙想」はこれで終了。正味10分くらいだろうか。『頭を「空っぽ」にする技術』によれば15分以上はしないこと、と書かれている。思考がバラバラになってしまうからだそうだ。
 また、実は起床後の「黙想」もあるのだが、これについては本書を是非読んでみて欲しい。

 「黙想」では、その日1日の自分の反省が行われる。そして、嫌なことや楽しかったことを思い起こし、良いイメージを持って明日を迎えることができるのだ。
 「反省」というとネガティヴなイメージがあるが、この「反省」は極めてポジティヴなものであり、その日仕入れた自分にとって有益な情報を明日にそのまま繋げていけるものだった。

 ちなみに「黙想」をするときの注意点としては「静かなところでやる」「イライラしてしまうときは、「イライラを楽しむ」」「無理にするのではなく気軽にする」といったことがあげられる。
 一人で静かに心を落ち着かせて、その日のイメージを行う。
 毎日の忙しさが嘘のようになり、心が落ち着く。

 
 というわけで、次回は『頭を「空っぽ」にする技術』の中からさらに進んで「藤井式瞑想術」を体験してみたいと思う。「黙想」の次の段階に待ち受けているものとは…?
(新刊JP編集部/金井元貴)


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