第十回を迎える文学フリマ(http://bunfree.net/)が5月23日(日)、東京都大田区産業プラザPiOで開催される。文学フリマとは、表現者が文壇の慣習や既成のメディアのありようにとらわれずに文学作品を発表するための場で、何が〈文学〉であるかは各自の判断に任される。広義の創作から評論研究まで、幅広い分野の作品が一堂に会する展示即売会だ。
 今回の出展者で話題を呼びそうなのが、メディアのさまざまな可能性を探る試みを続けているゲーム作家の米光一成(立命館大学映像学部教授)率いる「電子書籍部〜未来のテキスト〜」(http://d.hatena.ne.jp/mirai-contents/)だ。今月28日にアップル社の新デバイスiPadが発売開始になるなど、「容れ物」の整備は急速に進みつつあるが、コンテンツ市場の形成は遅れている。プロの作家の動きでは、京極夏彦が新刊の電子書籍による販売を表明したことがわずかに話題になった程度だ。そうした模索の時期に、実験的に販売される電子書籍(米光式の略称は『電書』)がどのような反響を呼ぶか、注目したい。米光が執筆した文章の他、作家・古川日出男のロングインタビューなど、10を超えるコンテンツが『電書』としてお目見えするが、某有名作家の「創作」も加わる予定(ちなみにこの記事の執筆者も、過去に発表した書評をコンテンツとして提供します)。

(杉江松恋)







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