15日午前9時過ぎ。予定より早い時間に、マドリッドで行われるチャンピオンズリーグ決勝のチケット販売が開始した。木曜からすでに行列をつくって待ち続けたサポーターは、ついにあこがれのチケットを手に入れたのである。用意されたチケットは5000枚だった。

ジョゼ・モウリーニョ監督が一番乗りのサポーターにチケットをプレゼントし、マッシモ・モラッティ会長が何人かのサポーターと話をするなどしたが、一方では販売方法への抗議の声もあった。中には、行列をつくることなく、2万枚のチケットをインターネットで販売したバイエルン・ミュンヘンのやり方をまねるべきという横断幕も掲げられている。いずれにしても、チケットをゲットできる5000人は、すべてを忘れることだろう。最初にその幸運を手にしたのは、ポーランドに住む22歳の中国人学生だった。

多くのサポーターが行列をつくって待つ一方で、別の道を選んだファンもいる。匿名希望のある弁護士は、購入したばかりのファンに500〜700ユーロでチケットを譲ってもらおうと申し出た。「700ユーロで買う」という紙をしっかりと持っていた男性は、「私には2日間、列に並ぶことはできない。だが、絶対にマドリッドへは行かなければいけないんだ。誰かしらが私の申し出を受け入れると確信しているよ」と語った。