ツアー屈指のスピードスター西村晃一。巧みな戦術を伴い準決勝を制した。ビッグマンを倒す秘策はあるのか?

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新舞子マリンパーク(愛知県知多市)にて開催されているビーチバレー国内ツアー第2戦、大日本印章オープンは15日、第2日を迎えた。前日に引き続き午前は予選リーグが行われ、男女とも予選2組の2位まで、4チームが決勝トーナメントに進んだ。午後からはトーナメント準決勝が行われた。

昨日2連勝し初優勝を狙う浅尾美和・草野歩組は、予選3試合目、尾崎睦・金田洋世組を相手に1セットも取れず、まさかの敗戦。2勝1敗ながら得失セット差で予選B組の3位となり、予選を突破することができなかった。

予選A組からは、3戦負けなしの田中姿子・溝江明香組、浦田聖子・西堀健実組、予選B組からは、尾崎・金田組、ワイルドカードから勝ち上がった山田寿子・幅口絵里香組が準決勝に進出した。浦田景子・菅山かおる組は0勝3敗で予選敗退。

準決勝の結果、優勝は田中・溝江組と浦田・西堀組によって争われる。

男子は、ツアー9連覇のかかる王者、白鳥勝浩・朝日健太郎組が決勝まで順当に進出。その相手を決める西村晃一・仲矢靖央組と井上真弥・長谷川徳海組による準決勝は白熱した戦いとなった。36歳、身長176cmながらスピードはツアーナンバー1の西村とテクニックのあるブロッカー仲矢に対し、ツアー第1戦東京オープンで準優勝、成長著しい井上と長谷川。西村・仲矢は「ウチは高さがないので人と同じことをやっていてはいけない」とレシーバーの西村がブロックに入り相手を幻惑する。ブロックポイントも飛び出し、第1セットを奪取。しかし慣れてきた井上・長谷川が対応し始める。「試合の流れを変えるためには何でもする」(西村)と強風の中、スカイサーブ(高く打ち上げるサーブ)などを試みるものの、第2セットは相手の気迫溢れるプレイで落としてしまう。西村の、読みとスピードのレシーブ、井上・長谷川のコンビネーションに徐々に観客もヒートアップ。ファイナルセットに入ると井上・長谷川が先行するが、ここから西村がスーパープレイを連発。強打にタイミングを外すフェイント、観客も味方につけビハインドを挽回。最後は15−12で試合を決めた。

西村・仲矢は最後まで応援してくれた観客に向かい「明日はビッグマン(朝日選手)を倒す!」と宣言した。16日は最終日。決勝戦と3位決定戦が行われる。

□田中姿子(34・エコ計画)
昨日と風が変わったので、パストスを丁寧にと話して試合に挑めたのが良かった。プレイしようと国内だと手の内が見えるので、そこでいかにミスを少なくするか、心がけて試合をしたい。

□溝江明香(19・産業能率大)
(最年少優勝記録がかかるが)意識せずに明日も思いっきり楽しくプレイしたい。決勝進出は嬉しいですが明日も頑張ります。

□浦田聖子(29)
(準決勝を大差で勝ち)たまたま点数の差がついただけ。私たちのテーマである攻撃が最後までできたのが良かった。相手に関係なく、自分たちのバレーをしっかりやりたい。(風は強いが)とてもいい風が吹いています(笑)。

□西堀健実(28・フリー)
いつも出だしが良くないので、声を出してやろうと思っていた。優勝するまでは気を抜かずに。新舞子の大会に決勝まで残るのは初めて。思いっきりやるだけです!

□西村晃一(36・WINDS)
負けられない気持ちが勝った。プレイを見てお客さんが喜んでくれ、拍手や応援をもらえるのは幸せなこと。(決勝は)相手に高さでは勝てないので、正確さと力強さがカギになる。風も吹いてくれればチャンスはある。朝日のブロックに僕のブロック。見所は僕のブロックです(笑)。

2日目の結果は以下の通り
【女子・予選リーグ】
浦田・西堀2(21-19,23-21)0楠原・三木
浅尾・草野0(18-21,7-21)2尾崎・金田
田中・溝江2(21-12, 21-12)0保立・松山
山田・幅口2(21-18,21-17)0浦田・菅山
【女子・準決勝】
田中・溝江2(21-11, 21-14)0山田・幅口
浦田・西堀2(21-17,21-9)0尾崎・金田
【男子・予選リーグ】
鈴木・石井1(21-14,16-21,8-15)2山本・鈴木
中川・吉田1(13-21,21-17,9-15)2長谷川・畑辺
井上・長谷川2(22-20,21-13)0畑・今井
白鳥・朝日2(21-18,21-13)0西村・仲矢
【男子・準決勝】
白鳥・朝日2(21-17,21-16)0山本・鈴木
西村・仲矢2(21-19,17-21,15-12)1井上・長谷川

(取材・文=小崎仁久、撮影:胡多巻)


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