まだ、バイエルン・ミュンヘンとのチャンピオンズリーグ(CL)決勝について考えるときではない。だが、そうしないのが難しいのも事実だ。インテルのジョゼ・モウリーニョ監督はUEFAの公式サイト上で、そのように認めている。

「ファイナルのことを考えないとは言えない。あまり考え過ぎないようにしているだけだ。バイエルンはすでにドイツでチャンピオンとなったが、我々はまだイタリアでそれを実現していない。あと1試合が残っており、セリエAのトロフィーは我々にとって本当に重要なんだ。ただ、マドリッドでのファイナルに行くことを忘れることもできないよね。誰だって戦いたいと望む試合だし、特にこのクラブにとっては重要な一戦なんだ。インテルはほぼ50年間もこの大会で優勝していないのだから」

モウリーニョ監督にとって、今大切なのは、「まとまりを保つこと」だという。同監督は次のように続けた。

「とても難しい、決め手となるような時期になれば、それがとても重要だと思う。全員が自分の周りにいる人たちを信頼しなければいけない。今の我々はシーズンの最重要期にあるんだ。2試合にすべてを懸けているんだよ。我々は最も大切な2つのタイトル、リーグ戦とCLのために戦う」

インテルにとって特に期待ができる選手の一人が、今季から加わったFWサミュエル・エトーだ。同選手はスペイン『マルカ』に対し、今シーズンを振り返るとともに、モウリーニョ監督に大きな賛辞を送っている。

「モウリーニョは守備重視の指揮官じゃない。彼は5人のストライカーで戦っている。オレたちはバルセロナとのCL準決勝ファーストレグを3−1で制したし、もっとゴールを奪ってもおかしくなかった。モウリーニョは良い人間だよ。クレイジーだと考える人もいるかもしれないけどね」

一方、インテルの補強担当であるガブリエレ・オリアーリ氏は、イタリア『メディアセット』の取材に対し、最終節で対戦するシエナのマッシモ・メッザローマ会長を激しく批判している。

「我々は大きなモチベーションを持っている。勝利を続けたいと願っているよ。だが、少し雰囲気がオーバーヒートしている。必要なかったことだ。我々が対戦するのはすでに降格が決まっているチームだが、会長の発言を見る限り、デリケートな一戦となるだろう。彼は、この一戦に世間が注目するようにした。そういう発言は控えるべきだったんだ」

「なぜ、キエーヴォ対ローマの試合については話題にならないんだ? ローマが勝つと決まっているようじゃないか。ただ、私はそうは思わっていない。前節、キエーヴォは我々を最後まで苦しめたからね。我々がシエナで勝てると決まっているわけじゃないのと同じことだ」

また、オリアーリ氏はシーズン後の退任が噂されるモウリーニョ監督について、続投を望んでいると話している。

「彼が決めることだ。シーズン後、モラッティ会長と話してから決めるだろう。私はジョゼが残り、インテルを高みへと引き上げ続けてくれることを願っている。彼の手腕はご覧のとおりだ。国際舞台でハイレベルな戦いをするのに足りなかった最後のピースをもたらしてくれた。だから、私は一緒に続けたいと願っている」