ローマに所属するMFジェレミー・メネスは、ワールドカップに臨むフランス代表のメンバーリストから外れた。もちろん、そのショックは大きなものだが、彼は目の前の試合に集中しているだろう。

ローマは今週末のセリエA最終節でキエーヴォと敵地で対戦する。首位インテルがシエナに敗れ、ローマが勝利すれば、逆転優勝という状況だ。簡単なことではないが、メネスは信じている。

キエーヴォはメネスにとって思い出深い相手だ。彼がローマに加わって初めてゴールを決めたのが、2008年12月6日のキエーヴォ戦である。

チームのキャプテンを務めるFWフランチェスコ・トッティはメネスを信頼しているようで、「彼はおとなしい人間で、少し理解できないところもある。でも、素晴らしいヤツだよ」と語った。

ただ、メネスが現在の信頼を得るまでには時間が掛かった。クラウディオ・ラニエリ監督は指揮官に就任して間もなく、「メネスはイタリアでプレーする前に、フランスで200試合くらいプレーする必要がある」と酷評。まさに地獄のようなときを過ごしていただろう。その後、話し合いの場が設けられ、徐々に素晴らしい方向へ向かっていった。

メネスの生まれ変わりは明らかだ。トップ下でプレーできることを証明した彼は、ディフェンスを学び、ボールを取り戻すことを理解した。汗だくになって戦うことを嫌っていたようだが、譲らなければならない部分もあることが分かったのだろう。メネスは9日に行われたカリアリ戦の後、「もし必要なら、汚いこともできる」と話していた。それが彼の成長の証かもしれない。