インテルを率いるジョゼ・モウリーニョ監督を称える声は後を絶たない。良い時期も悪い時期も、それは同じだ。モウリーニョ監督は、16日のセリエA最終節と22日のチャンピオンズリーグ(CL)決勝バイエルン・ミュンヘン戦に集中しているところである。

気持ちは徐々にマドリッドで行われるCL決勝に向かってようだ。モウリーニョ監督は13日、アンジェロ・モラッティ・スポーツセンター(インテル練習場)の前の露店に寄り、1種類のTシャツを十数枚購入した。“バモス・ア・マドリッド(マドリッドへ行くぞ)”と書かれた黒字のシャツで、インテルのエンブレムとモウリーニョ監督がプリントされているものだ。おそらく、5月22日に歴史をつくる前に、友人などにプレゼントするのだろう。

しかし、喜ばしくない噂も聞こえている。レアル・マドリー行きが噂されている同指揮官は、今シーズン限りでインテルを去る可能性があるようだ。

5月14日に店頭に並ぶ『パノラマ』誌のインタビューに応じたモウリーニョ監督は、「私が半分ミラノに残っていて、半分マドリッドに入っているという報道を見たが、あれは違う」と答えた。しかし、これはインテルにとどまるという意味ではないようで、「私はレアル・マドリーを率いることになるだろう。イングランドでビッグクラブを指揮し、イタリアでもビッグクラブを指揮した。そして、スペインでもビッグクラブを率いる」と述べ、イタリアを去る意思を明かしている。

さらに、「私は3つの国ですべてのタイトルを手にした。何も欠けているものはない。しかし、とある会長が私とほかの監督を比較することには笑ってしまうよ。カップ戦のタイトルも獲っていないトスカーナやレッジョ・カラブリアのチームを率いる監督と比べられるのだからね。人々は私のところにきて、笑顔で『あなたはすごい監督だ』とか言う。しかし、その直後には私を非難するんだ。一緒に写真を撮って欲しいとか、サインをくれとか言われるけど、すぐに態度を変えるね。そういったことをする人間が、監督の中にも何人かいる。好きになれないことだ」と、不満を示した。

インテルをマドリッドでCL制覇に導こうとしているモウリーニョと、自身がレアル・マドリーの指揮官になろうとしているモウリーニョ。どちらのモウリーニョにも大きな注目が集まっていることだけは確かなようだ。