ビリー・ボブ・ソーントン主演の映画「Friday Night Lights」(邦題:「プライド 栄光への絆」)のモデルともなった、スポーツが非常に盛んなテキサス州の高校で、バスケットボールチームの期待の新人Jerry Joseph選手(16歳)が、実際にはハイチからの移民のGuerdwich Montimere(22歳)であることが明らかになり、波紋を呼んでいます。

詳細は以下から。Confirmed: 16-year-old ‘Jerry Joseph’ actually is 22-year-old Guerdwich Montmiere

High school basketball player accused of being a 22-year-old posing as 16 | The Fabulous Forum | Los Angeles Times

Texas school Permian forfeits wins after player admits he's 22 - USATODAY.com

Guerdwich Montimereがテキサス州Odessaに移住し、「1994年1月1日生まれのハイチ人Jerry Joseph」としての出生証明書を提示して中学校に編入したのは2009年2月のこと。のちにPermian高校へ入学し、バスケットボールでめざましい活躍を見せました。Permian高校は非常にスポーツが盛んな学校で、のちに映画化やテレビドラマ化もされたスポーツ・ノンフィクションの名作「Friday Night Lights: A Town, a Team, and a Dream」はこの学校のフットボールチームと、高校や町全体にはびこる「スポーツ至上主義」とも言える熱気を取材したものです。

Permian高校へ入学した自称Jerry Josephは、ソフォモア(10年生:日本でいう高校1年生にあたる)として学校代表のバスケットボールチームで活躍し、2009年のシーズンで州大会出場をかけた地区プレーオフへとチームを導き、新人賞も受賞しました。アメリカの高校スポーツでは学校代表チームはジュニアやシニア(11〜12年生)で占められるのが通常で、Jerry Joseph選手はまさにこれからのチームを担う期待の新人だったわけです。

Odessaへやってきた当初は近くの大学の寮に住む友人のもとに身を寄せていたJeryy Josephですが、のちに高校のバスケットボールのコーチDanny Wright氏の家へ下宿するようになり、今年はじめにはコーチはJeryy Josephの正式な後見人となりました。チームだけでなく学校全体に好意的に受け入れられ、ハイチ移民ということもあってハイチ地震が起きた際には地元テレビ局のニュースで取り上げられたこともあるそうです。もし彼が本当に16歳で、今後大学やプロバスケットボールで活躍するようになったとしたら、実に良い話だったのですが……。

Jerry Joseph選手は身長195cm。16歳にしては背が高いものの、童顔で、ふるまいも16歳の高校生そのものだったため、誰もその正体を疑わなかったとのこと。かなりの演技派だったのかもしれません。


そのJerry Joseph選手の正体が取りざたされるようになったのは、アーカンソー州リトルロックで先月開催されたアマチュアバスケットボールの大会で、フロリダ州から訪れていたCedric SmithコーチとLouis VivesコーチがJerry Josephに見覚えがあると気付き、彼はフォートローダーデールDillard High Schoolを2007年に卒業したGuerdwich Montimereであり、現在22歳のはずだと主張したためです。

「彼を見かけた時は非常に驚き、『なぜ?』という言葉しか浮かびませんでした。一体何が起きているのか知りたいと彼に声をかけたときの、びっくりした表情で、本人だと確信しました」とVivesコーチ。しかし、Jerry Joseph選手はGuerdwich Montimereであることを否定したそうです。

その後、Jerry Josephが本当に16歳なら不法滞在者であるということもあって移民局や警察も介入した調査で、FBIのデータベースでは指紋が一致せず「JerryはGuerdwichの異父弟だ」などという証言も出てきたことから、JerryはGuerdwichではなく、フロリダのコーチたちの言いがかりであるということに決着するかと一時は思われました。

そのニュースを受けてSmithコーチは「給料を賭けてもいい、彼はGuerdwichだ。100%自信を持って言える。わたしたちは7年生か8年生のころからGuerdwichを知っている。見間違いではない。癖なんかも全部そのままだった。もっと詳細に捜査するべきだ」と地元紙に語っていたとのこと。

その後のさらなる捜査でGuerdwich Montimereがアメリカ市民権を取得した際の指紋とJerry Josephを照合したところ、今度は指紋が一致したため、一転してJerry JosephはGuerdwich Montimereに間違いないということになり、証拠を突きつけられると本人もGuerdwich Montimereであることを認めたそうです。

Guerdwich Montimereは22歳であり、高校バスケットボールの「満19歳未満」という規定に反しているため、Permian高校は2009年シーズンにMontimereがJerry Josephとして出場して勝利した試合の全16勝を返上することになりそうです。

Jerry Josephのことは家族のように思っていたというPermian高校のDanny Wrighコーチは、「多くの人々がこの出来事に影響を受けました。彼は学校全体の人気者だったのに、わたしたちをだましていて、みんなの気持ちをもてあそんでいたのです」と失意を語っています。

以下のニュース映像で、Jerry Joseph選手もといGuerdwich Montimere容疑者が高校生に混じってプレイする姿を見ることができます。
YouTube - Permian Student-Athlete Identified as Imposter


なお、Guerdwich Montimere容疑者は身元詐称で有罪となれば6ヶ月以下の懲役と2500ドル(約25万円)以下の罰金を科される可能性があるとのこと。フロリダの高校時代も活躍していた才能ある選手で、大学バスケで同世代の選手たちと競っても十分通用していただろうというMontimere容疑者が、なぜ再び高校でプレイしようとしたのかという動機は明らかになっていません。

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