株式会社メディアファクトリーの主催する日本で唯一の怪談専門の文学賞、『幽』怪談文学賞の第4回受賞者が決定し、5月11日授賞式が行われた。同賞には長編と短編の2部門があるが、短編部門から大賞が2作出た。
 神狛しず「おじゃみ」は京言葉の一人称で紡がれる怪奇譚。谷一生「富士子」(「住処」改題)は主人公が発作的に旅先で民宿を購入してしまうことから始まる物語だ。はからずも大賞受賞者二人が西日本の出身となった授賞式のスピーチで、神狛は「ほんまに、おおきに」と喜びを語り、谷は「渡辺えりのよう」「いや、マツコ・デラックスのようだ」と選考委員に取り沙汰された強烈な個性のヒロインのモデルが意外な人物であることを明かし、会場内を湧かせた。
 同賞の正賞は日本物怪観光製作の青行灯トロフィーである。場内の明かりが落とされると、行灯から青白い光りが放たれ、怪談の文学賞にふさわしい雰囲気を盛り上げた。なお、両者の受賞作品は5月21日に単行本として刊行される。
(杉江松恋)







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