デビューして5年目の新人作家、だけど年はちょっと行ってて48歳。そんな書き出しから始まる朝倉かすみの初エッセイ集『ぜんぜんたいへんじゃないです。』(朝日新聞出版)がいい。札幌在住で6歳年下の夫がいる。子どもはないけど、ジャンガリアンハムスターのダザイくんを可愛がっている。新作が出ると東京に出張し、アダルトチャンネルの番組表をチェックする。

 女性作家にエッセイ上手が多いのは、自己観察が巧みだからだ。ときに自虐的になりながら、新しい出来事に貪欲に向かっていく。そして無くてはならないのは母子ネタ。「京子」と呼び捨てにする母親のびっくりするような行動も、本人から「何を書いてもいいからね」と了承済み。予想外の文学賞受賞で、東京に仕事場を持たなくてはならないほど忙しくなってしまったようだが、ほんわかした雰囲気はずっと保っていてほしい。
(東えりか)







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