W杯南ア大会のメンバーが5月10日に発表される。岡田監督がどのようなセレクトをするのか、サプライズはあるのか、興味は尽きない。

 さかのぼること4年前。W杯ドイツ大会のメンバー発表日に、カズこと三浦和良と中田英寿の対談が行われていた。その進行役を務めた戸塚啓氏が、著書『世界に一つだけの日本サッカー 日本サッカー改造論』のなかで、当時をふりかえっており、そこには日本代表に必要不可欠なキーワードがあった。

 話題が日本代表に移った時、「こうしたら代表はもっと良くなるんじゃないか、ということがもしあれば?」と、中田がきっかけをつくるとカズは、「自分もプレーしていていつも後悔することなんだけど」と切り出してから、具体論に踏み込んでいった。

 「ブラジルがなんであんなにすごいかといったら、個人、1対1だと思うんだよね。大きな相手にも、果敢に向かっていく。小さい選手がアジリティで向かっていく。で、日本人にはアジリティがあるわけじゃない? クイックネスとか。そこは日本人の優れているところだと思う。オーストラリアでも、すごく感じた。年齢は言いたくないけど、39歳の僕にも付いてこられないときがあったから。こういう動きには」

 そう言ってカズは、パンチをよけるボクサーのように上半身を左右に揺すった。ディフェンダーをスルスルとかわしていく自分をイメージしているのだろう。2005年冬のシドニーFC(オーストラリア)への期限付き移籍は、経験豊富な彼に様々なことに気付かせたらしい。

 中田は「うん、確かに」とうなずいた。

 「いまカズさんが言ったこと、僕の知り合いで日本代表と対戦した外国人選手に『どこがいいと思う?』って聞いたら、みんな『アジリティ』って言うんですよね。『あれが一番イヤだ』って」

 日本語で「俊敏な」とか「素早い」と訳されるアジリティは、身体のサイズで欧州やアフリカの選手に劣る日本人の長所といっていい。イビチャ・オシムも「他のチームにはない日本人特有の持ち味」のひとつとして「素晴らしい俊敏性」をあげている。

 「アジリティ」に注目して、W杯南ア大会のメンバーをみてみるのも、面白いかもしれない。とにもかくにも明日、W杯南アフリカ大会に出場するメンバーが発表される。



『世界に一つだけの日本のサッカー』
 著者:戸塚 啓
 出版社:出版芸術社
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