5日に行われたインテル対ローマのコッパ・イタリア決勝は、ローマFWフランチェスコ・トッティにとって、南アフリカ・ワールドカップに向けての“テスト”でもあった。イタリア代表のマルチェッロ・リッピ監督は同選手の招集を考え続けており、その同監督が試合を観戦したからだ。

だが、トッティはそのミッションに失敗してしまった。トッティは後半開始から出場したものの、結果を残せず、終盤にはインテルFWマリオ・バロテッリを蹴って退場処分となっている。

リッピ監督は試合途中から出場し、流れを変えられる役割を想像していたはずだ。それは、ローマのクラウディオ・ラニエリ監督も同じである。同監督は「(トッティのベンチスタートは)日曜になる前から決めていた。フランチェスコは好調だけど、3日おきに戦うことはできない。そして終盤には、やってはいけない、イライラからくるファウルをしてしまった」と語った。

ラニエリ監督だけでなく、リッピ監督も落胆している。言い訳はあるのかもしれないが(「バロテッリに何か言われたか? ああ、そうさ」)、なぜあのようなファウルをしたのかという質問に対して、「サン・シーロであいつがやったことに対するものでもある」と発言したことは、彼にとって有利に働かないだろう。

経験豊富なベテランが、19歳の“罠”にひっかかるようでは、どうやってリッピ監督が「プラスアルファ」の存在として、トッティを呼べるだろうか? トッティにとって南アフリカは、地図上の距離以上に遠くなってしまった。

チームメートたちはキャプテンであり、友人でもあるトッティを擁護している。FWルカ・トーニは「そのジェスチャーだけじゃなく、どうしてそう反応したかを理解する必要がある。インテルの選手たちのごう慢な態度は気に入らなかった。フランチェスコはすごく侮辱されていたんだ。そうじゃなければ、あんな反応はしなかっただろう」とコメント。MFダニエレ・デ・ロッシは「突発的に我を忘れたんだ。フランチェスコのファウルはひどいものだった。退場は正しい。でも、やったのがほかの選手だったら、これほど議論にならないだろう。トッティがやったから、彼が大きく批判されるんだよ」と話している。