徐々に怒りが湧いてきたことだろう。おそらく、ラツィオGKフェルナンド・ムスレラが最初のセーブをしたことで、彼女は「本物の試合」になることを期待したはずだ。ホームのスタジアムがライバルであるローマの優勝を望まず、自分のチームを応援しないという状況にあったとしても、ラツィオがインテルとの試合で全力を尽くすと考えただろう。たとえ、同日の試合でアタランタが引き分けたことにより、ラツィオのセリエA残留が事実上確実になっていたとしても…。

だが、実際はそうならなかった。インテル戦に臨んだエディ・レーヤ監督率いるラツィオは、ムスレラの見事なセーブのおかげでゴールこそ途中まで守り続けたが、攻撃面ではほぼ何もつくることがなかった。ローマのロゼッラ・センシ会長は怒りを爆発させている。試合後、センシ会長は幹部たちを招集し、その怒りをぶちまけた。

「こういったことを見た後では、我々のリーグが世界で最も美しいものと言うことなど矛盾している。私がインテルの人間だったら、こういう勝ち方を恥だと思ったことでしょう。いずれにしても、あることは確信しています。ローマのサポーターはインテルのサポーターに負けないくらいに喜んでいる、と」