牛丼が300円以下になったり、ジーンズが1000円以下になったり、とどまることを知らないデフレの波。一見、モノが安くなって庶民にはうれしい現象と思いがちですが、「"良いデフレ"なんてありえない」と断言するのは勝間和代さんのブレーンの一人で、共同事業パートナーとして金融政策、財政政策などのリサーチを行っている上念司さん。

 そもそも、デフレになると、どんなことが起きるのでしょうか。デフレとは、物価下落が2年以上継続している状態のこと。「いずれ価格が下がるだろう」という心理に世の中が覆われるので、みんながモノを買わなくなります。すると、売る側はモノが売れないので値下げをします。買う側は安くなったのを見て、ますます購入を先送りにします。この悪循環が続くと、従業員のコストは削減され、さらには赤字覚悟の大バーゲンが始まり、ついには倒産、失業に至るのです。

 さらに、現在は円高が続いているので、なおさら質が悪いのです。まず、円高になると、日本の製造業を支える輸出産業は、何もしなくても売り上げが減少することになります。かといって輸入産業が伸びるかと言えば、そうでもありません。デフレ環境下においては、いくら仕入れ値が下がっても、販売価格も同時に下がってしまうため、意味がないのです。さらに問題なのは、円高環境下では海外の労働者を安く雇うことができるため、国内での失業者が増加してしまうことに。

 このように、まったくいいことがないデフレ+円高のセット。前述の上念さんは、自著『デフレと円高の何が「悪」か』のなかで、現在の円高、デフレの原因を「政府と日銀によってもたらされた人災」と厳しく糾弾しています。リーマンショック以降、景気を刺激するために、諸外国の中央銀行は市場にそれ以前の2〜3倍のお金を供給しましたが、日本は5%お金の量を増やしただけ。昨年12月には10兆円規模の緩和措置が講じられましたが、上念さんはこれも「世論の批判をかわす単なるパフォーマンス」と一蹴しています。

 では、この長期停滞から抜け出すにはどうしたらいいのか。答えは単純。お金の量を増やせばいいのです。テレビや新聞の報道を見ていると、なんだかすごく難しそうな気がしますが、『デフレと円高の何が「悪」か』では、過去の経済史や各種データを基に、デフレ脱却への道筋を驚くほど明快に紹介しています。経済のことなんてよくわからないという人は、だまされたと思って一度読んでみてはいかがでしょうか?



『デフレと円高の何が「悪」か』
 著者:上念司
 出版社:光文社
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