日本最大級のニュースサイトのお仕事が分かる本

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 わずか“13文字”。
 たったの“13文字”。

 しかしその“13文字”が、世間にとてつもなく多大な影響を及ぼすと考えれば、これほど不思議なものもない。

 言わずと知れたポータルサイト「ヤフー・ジャパン」。媒体資料(2010年4月改訂版)によれば全体で1日平均約15億ページビューを誇る、日本最大のインターネットサイトだ。
 そして、そのトップページの中央に位置するのが「トピックス」である。
 「トピックス」には8本のニュース見出しが並んでおり、それぞれが13文字以内で簡潔にまとまっている。

 おびただしい量の情報が氾濫するネット社会において、ここに掲載されているトピックを見れば今話題のニュースが分かる。毎朝このトピックスを見ることが日課になっている人も多いだろう。

 政治やスポーツ、芸能、経済等さまざまな情報が各ニュース媒体から送られてくるヤフーニュースでは、毎日3500本以上ものニュースが配信されている。では、一体どのようにその中からトピックを選定し、13文字にまとめあげているのだろうか。

 トピックス編集部は365日24時間体制で動き、常にニュースをチェックし続けているという。
 そして世間の関心が高そうな記事が配信されてくると、そのニュースに関係するウェブサイトを探してリンクを貼り、見出しをつけてヤフー・ジャパンのトップページに掲載するという手順を取られ、私たちの目に届く。

 トピックス編集部には、もともと新聞社や放送局、出版社で働いていた編集者たちが勤務しているが、彼らはニュースを自分では書かない。送られてきた記事を「適切にピックアップ」し、「13文字にまとめる」ことが要求される。
 つまり、膨大な情報を一度集約し、その中から厳選したものをメインに出す。自分で「書く」のではなく、「編集する」のである。ヤフートピックスから見えるのは、これまでのインターネットの中で生まれた新たな潮流である。

 光文社新書から出版されている『ヤフー・トピックスの作り方』はヤフーのR&D統括本部編集本部メディア編集部長である奥村倫弘氏によって執筆された一冊だ。
 これまでの「編集部」のイメージ覆すような職場環境、13文字の見出しの作り方、本当に今求められている記事、そして変わりつつある“ニュース”の概念とは。インターネットの情報流通のカラクリを垣間見ることができる。
(新刊JP編集部/金井元貴)


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