今年の2月、JR関西本線を走るお座敷列車「あすか」を狙った"撮り鉄"が線路内に入り、列車の運行を妨げる事件が起きました。以来、マスコミが事あるごとに撮り鉄を追うようになり、撮り鉄への風当たりが強くなったのは記憶に新しいところ。

 また、3月12日には寝台特急「北陸」と急行「能登」のラストランの姿をカメラに収めようとするファン約3000人が詰めかけ、ちょっとしたパニック状態に。「カメラどけ! 見えねーだろっ!!」「押すなバカ! お前こそどきやがれ!」といった怒号や悲鳴も飛び交い、今や"罵声鉄"という言葉が生まれるほど、鉄道人気は衰えることを知らない状況です。

 しかし、マナーの悪いファンはごく一部の話。鉄道趣味は、良識的に静かに楽しむのが本来の姿。その代表格が"廃線鉄"といえます。

 廃線鉄とは、廃止になった路線を訪れ萌える人のこと。初めて訪れるのに妙に懐かしさを覚えながら、朽ち果てたレールやトンネルを見つける探索は、遺物を探し出す考古学的な面白さや、史跡めぐりといった楽しさがあります。現在、「工場萌え」「廃墟萌え」など世間でいろいろな「萌え」が盛り上がっていますが、その中の一つのブームといえるかもしれません。

 その廃線歩きの第一人者で、日本地図センター客員研究員の今尾恵介氏が編著として関わった『新・鉄道廃線跡を歩く』(JTBパブリッシング)が発売になりました。「北海道・北東北編」「南東北・関東編」「北陸・信州・東海編」「近畿・中国編」「四国・九州編」とシリーズにわけて発行された本書は、失われた鉄道の痕跡を実地調査し、くまなく紹介しています。豊富な写真と詳細な地図で臨場感たっぷりな上に、最新の廃線跡も含む約250路線を新規に取材、撮り下ろした力作です。
※「新・鉄道廃線跡を歩く」公式ホームページ
http://www.rurubu.com/book/recomm/1580/haisen/index.aspx

 さらに、刊行に伴いYouTube上の「JTB時刻表チャンネル」には、スタッフが実際に廃線跡を歩きながらその魅力を伝える動画『実写版・鉄道廃線跡を歩く』を公開しており、「近畿・中国編」で紹介されている関西(かんせい)鉄道大仏線編を見ることができます。映像には、鉄道ファンのタレント・中川家礼二さんが登場し、大仏線の起点・加茂駅から奈良方面に向かって散策。鉄道好きの中川家礼二さんですが、意外にも廃線跡歩きは初めてということで、100年以上も前にできたランプ小屋や、途中、いくつも出てくる橋台やトンネルの煉瓦の積み方、石の積み方などを見て歩きながら、廃線跡の魅力に迫っていきます。

 大手旅行会社も廃線跡見学ツアーを実施するなど、新たな観光資源として廃線跡が注目されている今、一読の価値あるシリーズです。

※JTB時刻表チャンネルはこちら  http://www.youtube.com/JTBpublishing



『新・鉄道廃線跡を歩く4 近畿・中国編 』
 著者:今尾 恵介
 出版社:ジェイティビィパブリッシング
 価格:1890円
 >>元の記事を見る


■ 関連記事
秋葉原駅で、西尾維新の“人気キャラ”盗まれる?〜『零崎人識の人間関係 戯言遣いとの関係』(2010年3月27日17:15)
日本人の精子は濃い? 薄い?〜『奪われた性欲』(2010年3月19日02:40)
「コント冬の時代」を救うジャルジャル〜『この芸人を見よ!』(2010年3月17日00:20)


■配信元
WEB本の雑誌