「史郎氏はもう、入ってこなくていい」ボクシング亀田三兄弟 受け入れ″内定″報道の渡嘉敷会長を直撃!

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 暴言騒動で亀田史郎氏が日本のボクシング界から永久追放となり、亀田ジムも無期限活動停止となったことで、その身分が東日本ボクシング協会の預かりとなった亀田三兄弟だが、協会は三人の練習先を、それぞれ3つのジムに分散して任せるという。

 そのひとつとして"内定"したと報道されている渡嘉敷ジムの渡嘉敷勝男会長は、かねてから兄弟を受け入れるとの意思を表明していた。ただ、史郎氏と兄弟の親子の絆は深く、関係者には、そう簡単に分離できないという見方も強い。本当に渡嘉敷ジムが兄弟1人の受け入れ先となった場合、史郎氏の影響をどう排除して、兄弟を指導するつもりでいるのか。渦中の渡嘉敷会長を直撃した。

――兄弟の受け入れは決まった?

渡嘉敷 まだ正式には何も決まっていませんよ。新聞に内定とか出ていても、私は決まったとは聞いてません(笑)。ただ協会の大橋(秀行)会長から、『受け入れ先として、いくつかあるけど、その一つとしていいですか?』というので、『いいよ』という話はしていました。

――渡嘉敷会長は、以前にも兄弟を受け入れてもいいとメディアで話をしていて、今回もそうですが、正式決定ではない?

渡嘉敷 そうですね、前もそんな話をしましたね。でも今回、協会から決まったら連絡すると言われていて、(16日の段階で)まだ連絡はない。それにうちは葛飾(の亀田家)から少し遠いので、それで来ない可能性もあるんじゃないのかな。

――それでは、仮に決まった場合、という想定で話を聞かせてください。

渡嘉敷 ええ。

――もし兄弟の1人を引き受けた場合、史郎氏の影響をどう避ける?

渡嘉敷 私はこれまでお父さんとも色々と話をしてきたし、直接、『ちゃんとやれ』とか注意をしたり、週刊誌上で叩いたこともありますからね。私はお父さんに苦手意識はないし、私は好き嫌いで人を判断もしない。でも、向こうが「渡嘉敷のところだけは行かせたくない」と思っているかも(苦笑)。まぁ、私は兄弟は何も悪くないと思っているので、受け入れ先がなければ、受け入れます、というだけです。


◆うちに来たら、言うことを聞かすしかない。


――兄弟が来ても、史郎氏の影響は心配ないと?

渡嘉敷 心配ないも何も、来たら言うことを聞かすしかない。うちのジムの生徒たちは、どんな悪い奴が来ても、皆まじめになって、ほかの選手たちと一緒になって一生懸命やっている。誰が来てもスタイルを変えることはない。ボクシングに関しては、うちは厳しいですから。

――もし決まったら、週に何日くらい練習させるのか?

渡嘉敷 そりゃ、基本は毎日でしょう。

――兄弟が自宅でもある亀田ジムでの練習を禁じられているが、そうした部分を完全になくすのは難しいのでは。

渡嘉敷 たしかに、自分のうちで一日中練習して、それで終わりというのならば、いけないのでしょう。けれど、それでも自宅なんだからね。たとえばジャドーボクシングをするとか、そういうことをしても、基本はこちらで練習をして、こちらで管理もしていれば、それは問題ないでしょう。

――協会は、兄弟が出先に行く場合、必ず亀田ジムのトレーナーが帯同する規則だともいうが、亀田ジムには3人もトレーナーがいない。

渡嘉敷 うーん、五十嵐会長は会長として活動はできないんだよね。でも、たとえばトレーナーではなくても、亀田ジムには、運転手のような人とか、何人かスタッフがいますから、彼らが一緒について来ればいいんじゃないでしょうかね。

――3兄弟は、これまで対戦相手だけなく、練習相手なども史郎氏の判断でえり好みをしてきたといわれるが、こちらにきたらどうなる。

渡嘉敷 まぁ、彼らも世界チャンピオンですからね、ある程度は、話を聞くこともある。でも、ヤレというときには、それはそれで通すしかない。それは、そのときどきのこちらの判断ということになる。どうせ誰が来ても、私が直接、面倒を見ることになるでしょうし、うちの選手だけじゃなくて、ほかの選手ともスパーをさせたり、場合によっては、別のジムに出向いて練習させたりもしますよ。


◆負けたっていい。ファンが喜ぶカードを組んでいきたい。


――3兄弟の誰が来るか分からないが、それぞれのポテンシャルについて、どう考えているのか。まずは長男で前王者の興毅について。

渡嘉敷 すばらしい選手ですよ、やりがいがあると思いますねぇ。とにかくファンが期待する好カードをたくさん組みたい。彼らはこれまで内藤選手以外の日本人とは戦わずに、王者にまでなって、ファンから日本人選手と闘って欲しいと言われてきた。興毅の場合は、今は王者じゃありませんから、再び王者に挑戦する前に、日本チャンピオンとか、東洋チャンピオンとかと戦わせて、どうだ亀田は強いだろう、ほら日本人には、もう相手がいないだろ、次は世界しかないでしょ、という形にして、その力を世間に認めさせたいですね。

――兄弟の強さは本物だと。

渡嘉敷 私はよく、亀田は本当に強いのか? と聞かれたりするけど、世界王者というのは、4回戦から6回、8回と段階を踏まないとなれない。だから、私は『彼らは強いですよ』と話してきてもいる。それを証明したいですね。

――先日、初防衛に失敗したポンサクレック戦も、勝てるやり方があったと。

渡嘉敷 そうですね、彼は王者として守りのボクシングをしたけど、もう2階級制覇もしたんだし、もっと攻めるべきだった。具体的には? たとえば相手がジャブを打ってきたところにカウンターを入れるとか、色々とやり方はありましたよ。私はね、つまらない勝ち方をして、後で何かを言われるのなら、攻めて攻めて闘った方がいいと思う。それで、もしダウンしても立ち上がって、お客さんが、あいつの精神力は凄いぞ、と涙を流すような、そんな試合をさせたいですね。

――次に、現王者の次男、大毅は。

渡嘉敷 できれば彼には2階級制覇をさせたいと思う。もし、彼に合う王者が出てくれば、手ごたえを感じさせるためにも、まずはやらせてみたい。いけるか? どうだ? 無理か? という感じでね。1、2回負けたっていいんですよ。次の手ごたえが得られれば。

――大毅の場合、協栄ジムの元王者、坂田健史との対戦が避けられないようだが。

渡嘉敷 それはそれでいいんです。坂田は日本人だしね。亀田が日本人とやれば、お客さんも喜ぶ。そういうのを見てみたい。世界に俺以外にいないというのが世界王者。誰も避けてはいけない。いつでも来いと、ハッキリさせようじゃないかと。日本人とやって、日本には、もう俺しかいないだろ? 一番強いのは俺だろう、というのを国民に分からせたいですね。

――それが渡嘉敷流の世界王者論ですね。

渡嘉敷 そう、僕は誰も一度も誰も避けたことがない。苦手もへったくれもない。あいつは止めろとトレーナーが言う奴でも、いや俺は世界チャンピオンなんで誰も避けませんよ、と闘ってきた人間だからね。やっぱり彼らにも、それをさせたい。彼らは負けないと思うしね。

――最後に三男の和毅。三兄弟のなかで一番才能があるといわれる反面、性格が父親似で粗暴なところもあり、扱いにくいと言われているが。

渡嘉敷 和毅君だけは、会ったのは小さなころだけで、今はよく分からないね。けれど、うちにくれば誰でも一緒ですよ。しっかり挨拶などもさせるし、躾もします。

――今、兄弟には、どこに行くにしても、誰がマッチメークやマネージメントをするのかという問題が残っているが。

渡嘉敷 私は彼らと話し合いがしたいね。どうだこんな試合があるぞ、これはお客さんに喜んでもらえるぞ、この相手はお前組み合えるぞ、この王者なら2階級、3階級とかできるぞ、こんな計画あるぞ、お前はどう思っている? といったことを、じっくり話し合いがしたい。相手も世界王者ですからね、私も立てて、お前アレやれ、コレしろと命令はしないと思いますね。


◆お父さんは、もう入ってこなくていい。


――ちなみに兄弟を受け入れることよる渡嘉敷会長の一番のメリットは?

渡嘉敷 私はジムの会長で、教えるトレーナーで、試合を組むプロモーターでもある。そのプロモーターという部分で、業界を盛り上げるためにも、ファンが喜ぶ好カードをたくさん組める。そういう夢があるところかもしれないですね。

――ちなみに、史郎氏がメキシコで新しいジムを作るのでは? といった噂もあるが。

渡嘉敷 それは関係ない。私は、もし兄弟が日本でやって、行くところなければうちに来いと言っているだけですから。お父さんは、もう入ってこなくていいんですよ。

 *

 今回、協会は亀田三兄弟の練習場所として、渡嘉敷、セレス、ワールドスポーツという3つのジムを選んだとされているが、それがそのまま移籍に繋がる話ではない。ただ、亀田ジムの活動がしばらくはできない状態のため、受け入れ先となったジムでの経験が、兄弟の今後にそれなりの影響を与える可能性はあるだろう。

 もし本当に渡嘉敷イズムのド根性路線で、兄弟が日本人相手に戦いまくるとしたら、それは見たいというファンは少なくないのではないだろうか。
(文・写真=原田翔)


●とかしき・かつお
1960年、沖縄県生まれ。78年、協栄ジムよりプロデビュー。81年に金煥珍(韓国)を下してWBA世界ライトフライ級王座を獲得し、5度防衛。84年引退。タレント活動と平行して、東京・中野区に渡嘉敷ボクシングジムを開設。後進の指導にあたっている。門下生に元東洋太平洋ライトフライ級王者・山口真吾など。



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