会議の席や談笑の席には話の流れというものがありますよね。そして、その流れのなかでその時その時に相応しいテーマがあるもの。

 ところが、それを無視して突然まったく無関係なことを話し、または誰かの言葉の些細な一言に反応して、つまらない話をはじめる人がいます。その理由は、知識を披露したい、体験を話したい、自分や家族の自慢をしたいなど、さまざまな突発的動機があるものですが、結果としては本題から外れていることが多々あります。そして、その話が往々にしてつまらないことも・・・。

 しかし、同席者にしてみれば、座が気まずくなることは誰しも望まないわけで、たいていの場合、そのつまらなさを指摘する人はいません。会議で立場が上の人がこれを始めた時が特にそう。黙って聞きながら、全員が腹のなかで「アホやっ。アホ」と思っているものです。

 立場が下の人がこれをやる時もあります。存在を認められたいとか、話題についていけず、何か一言でも発言しなければならないという焦りとかによるものが多いようですが、結果はアホと思われ、彼がなぜ下位にいるのかを皆に納得させるだけの結果に。

 アホなことを言ったあとで、自分で舌打ちし、恥ずかしさを自覚できる人は、次からは自制するものですが、困るのはこういうことを言っても恥を掻く立場にない人、つまりは社会的地位の高い偉い人の場合。こういう人たちは「なあに、あんなことくらい言っても平気平気」と自分をなだめたり、「どこが悪いのだ。あれくらい誰でも言う」と内心開き直ったり、さらには「俺くらいの立場になれば、ああいうアホなことを言うのもご愛嬌」などと逆に威張っていたり・・・。これはどうやら親分気質の人に多いようです。
 
 偉い人ほど周囲の空気が読めなくなり、周囲に対して鈍感になったりするものですが、これではいつまでたってもアホの物言いは抑制できません。

 筒井康隆氏の著書『アホの壁』では、なぜこうしたアホなことが繰り返されるのかについて、豊富なエピソードと心理学、文学、歴史などの観点からつづられています。自分が一度、アホな言動をしていないかチェックしてみるのもいいかもしれません。



『アホの壁』
 著者:筒井 康隆
 出版社:新潮社
 価格:714円
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