2006年に発覚した不正スキャンダル、“カルチョーポリ”に関する刑事裁判で、元ユヴェントスGM(ゼネラル・マネージャー)のルチアーノ・モッジ氏の弁護団は13日、新たに浮上した盗聴捜査記録を証拠物件として採用するように要求した。

新たに分かった盗聴捜査記録に収められている電話による会話は、計74つ。検察側は異議を唱えず、ナポリ裁判所は採用を認めている。モッジ氏の弁護団は、複数のクラブ幹部が元審判や元審判選定責任者とコンタクトをとっていたとして、全員が無罪、つまりモッジ氏も無罪だと主張。検察側はモッジ氏や一部の審判たちが国外の携帯電話をしようしていたことを重視し、反対の主張を貫いている。

74の会話記録のうち、当時インテルの会長だった故ジャチント・ファケッティ氏の会話記録は、半分以上の41。また、オーナーのマッシモ・モラッティ氏と審判選定責任者だったパオロ・ベルガモ氏との間にも3つの記録が残っている。モッジ氏の弁護団は、2004年11月26日に行われたファケッティ前会長とベルガモ氏の会話が最も重要だと述べている(「すべての盗聴捜査記録の源」)。この中で、ファケッティ前会長は審判選定の抽選に向け、「コッリーナを入れろ」と話したとされている。

さらなる詳細を待つ必要があるが、捜査記録の中には重要性が低いと思われるものもある。その一つが、ファケッティ前会長がベルガモ氏に対し、「モラッティがあなたにプレゼントを用意している」と語ったもの。日付が04年12月23日であることから、クリスマスプレゼントのことを指している可能性がある。

そのほか、モッジ氏の弁護団が提出した新盗聴捜査記録の中には、ミランのアドリアーノ・ガッリアーニ代表取締役の会話が8つ残されている。ミランについては、すでにカルチョーポリで処分を受けた元審判担当者、レオナルド・メアーニ氏の記録もあった。

また、当時パレルモのSD(スポーツ・ディレクター)だったリーノ・フォスキ氏、カリアリのマッシモ・チェッリーノ会長、ローマのダニエレ・プラデSD、ウディネーゼのルチアーノ・スパレッティ監督(当時)の記録もある。ボローニャのレナト・チポッリーニ元会長の記録もあるが、検察側はこれがボローニャの監督だったカルロ・マッツォーネ氏の電話番号を尋ねるためのものだったと強調している。モッジ氏の弁護団はレッジーナのリッロ・フォーティ会長の会話記録も持ち出しているが、実際にはこの記録はすでに証拠物件として使用されている。