“凍死は死体が綺麗に残る”は本当か?死体に関するウワサの真偽とは

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 そろそろ桜の季節も終わりですが、昔「桜の樹の下には屍体(したい)が埋まっている」と書いた作家がいましたね。
 まあそれとは関係ありませんが、生命力溢れる春に“死”について考えてみるというのもオツなもんです。
 いまのところ人はみんな死にますし、ほとんどの人は死んだ後は死体として残ります。
 ということで今回は死体に関するマメ知識をいくつか紹介しようと思います。

■“凍死は死体が綺麗に残る”は本当か?
 作家・渡辺淳一は『自殺のすすめ』の中で“死に顔が最も美しいのはガス自殺と雪の中での凍死である”と書いています。確かに凍死なら苦痛もなく、眠るように死ぬことができそうです。
 ただ、それはあくまでも死んだ直後の話で、永遠に綺麗なまま残るわけではありません。1991年にアルプス山脈で、凍死したとみられる約5000年前の男性の遺体が発見されましたが、その状態は乾燥した皮膚が頭皮に張り付いている、いわゆる“ミイラ”の状態だったそうです。

■青酸カリによる毒殺時の“アーモンド臭”の正体とは?
 近隣住民から死体発見との通報を受け現場に急行、遺体に外傷がないため毒殺の可能性あり。被害者を丹念に調べると口内からほのかなアーモンド臭が!間違いない、これは青酸カリによる毒殺だ!
 というパターンは刑事ドラマや探偵ものの漫画でお馴染みですが、このアーモンド臭はビールのお供として出てくる炒ったアーモンドの香ばしい匂いではないことをご存じでしょうか。
 青酸カリは口から投与されると、胃液と反応してシアン化水素を発生させます、それが“アーモンド臭”の正体なのですが、実際に似ているのはアーモンドの「実」の甘酸っぱい匂いで、普通の人はほとんど嗅いだことのない匂いだそうです。それにシアン化水素自体も猛毒なので、もし万が一そんな場面に出くわしても自分で匂いを確かめるのはやめましょう。

■死体はエアバッグの改良にも一役買っている
 あまり知られていませんが自動車のフロントガラスやエアバッグ、シートベルトの開発や改良にも死体は一役買っています。
 これらの実験にはダミー人形を使うことが多いですが、例えば車が事故を起こした時に、乗っている人がどの位置にどのくらいの損傷を受けるかは人形ではわからないし、もちろん生きた人間で実験するわけにもいかないので、死体にお願いをするわけです。死体を用いた衝突実験のおかげで、アメリカでは年間8500人以上の命が救われているといわれているそうです。ちなみに、日本ではこうした実験は行われていません。

 充実した生を送るためには死について考えてみるのはいいことに違いありません。『死体入門!』(藤井司/著・メディアファクトリー/刊)にはこの他にもまだまだ、死体にまつわるエピソードが収められていますので興味がある方は手に取ってみてはいかがでしょうか。一度読んだらあなたの死に対する考えがひっくり返る…かもしれません。
(新刊JP編集部/山田洋介)

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