『プレイングマネジャーの教科書』から学ぶチームが成果をあげるためのコミュニケーション術

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 「プレイングマネジャー」といえば、元東京ヤクルトスワローズの古田敦也氏が選手兼任のまま監督になったときに話題になった言葉なので、イメージはなんとなくつくだろう。

 選手(プレーヤー)としてチーム内の機能を果たしながら、マネジャー(管理者)としてチーム全体を管理する。この二束のわらじを上手くこなすのは極めて難しく、1年目はかろうじてAクラス入りできたものの、2年目は最下位に落ち込むという結果になった。さらに古田氏自身も成績が全く奮わず、監督解任とともに選手としても現役引退をした。

 自分自身の数字を気にしながら、リーダーシップを発揮して部下の管理も行う。板ばさみになり、業務量も増える。野球に関わらず、ビジネスの世界でも「プレイングマネジャー=中間管理職」は熾烈だとされる。

 ダイヤモンド社から出版されている『プレイングマネジャーの教科書』の著者である田島弓子氏はかつてマイクロソフト社に在籍し、営業やマーケティングで活躍。当時数少ない女性営業部長として自身のチームを育て上げ、社長賞を2回受賞するほどの成績をあげるチームに導いた。
 成果主義をモットーとする外資系企業。才能も個性も強いメンバーたち。田島氏のおかれた環境は苛酷である。その中でどのようにチームをまとめあげてきたのか。

■コミュニケーションを変えることでチームは変わる

 プレイングマネジャーに求められるのはリーダーシップよりもハブ型マネジャーシップだ。つまり複数のパソコンをつなぐ“ハブ”のような役回りである。
 そこでは話を聞いて状況を理解したり調整をしたりと、部下とコミュニケーションをとり、適切に動かす力が求められる。

 さらに、本書の一番の肝はそのコミュニケーションを「仕組み化」することにある。それが出来てしまえばもうこちらのもの。例えば、難しいとされる根回しや場回しもこんな風に手順化してしまえば、やり方がよく分かるだろう。

1、根回し:関係部署の協力をとりつける(コンセンサスをとる)
2、突破口になる:まず自分が先陣を切って突破口になる(クライアント訪問)
3、情報共有:クライアントの反応などを、他部署とシェアする
4、筋道をつける:アプローチ方法がわかれば、自然とチームメンバーが動き始める


 本書は人を動かすためのキラーワード集、クセモノや苦手な人の対応方法、トラブル時のFAQなど、58のビジネスコミュニケーションの具体策が載っている。

 コミュニケーションの技術は一朝一夕に身に付くものではなく、粘り強く覚えていく必要がある。しかし、その「型」を覚えてしまえば実は非常に上手く回りだす。
 コストカットによる人員削減などによって、中間管理職の業務環境はさらに苛酷になりつつあると言われる。自分自身が仕事に殺されないために、本書を読んでおくのは一つの手だろう。
(新刊JP編集部/金井元貴)


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