BJ・ペンを判定で下したエドガー。己が信じたゲームプランを遂行した結果――といえる勝利だったが、そこに彼の“強さ”を感じることはできなかった

写真拡大

2010年4月10日(土・現地時間)、アラブ首長国連邦アブダビのヤス島、フェラーリワールドでは、UFC112「Invincible」が開催された。

UFC世界ミドル級選手権=アンデウソン・シウバ×デミアン・マイア戦、同ライト級選手権試合=BJ・ペン×フランク・エドガー戦という二大タイトルマッチに加え、アブダビの英雄ヘンゾ・グレイシーの参戦、コアなMMAファンには見逃せない、グレイシーフュージョン所属のハファエル・ドスアンジョスとルタリーブリの流れを汲むテリー・エティンによるライト級戦など、同大会には注目のラインナップが揃った。

だが、そんなメインイベントは、王者アンデウソンの非スポーツマンシップな行為が繰り返され、終始大きなブーイングに包まれた。真剣に戦う姿勢を見せる挑戦者マイアに対し、アンデウソンは、序盤にスタンドで力の差を見せると、その後は相手をバカにするような挑発や動きを繰り返した。

さらに試合終盤では距離を取り、マイアの周りをぐるぐると回ると、アブダビのファンは、マイア・コールやGSPコールを連呼したが、マイアの奮闘空しく試合は判定で王者が防衛に成功した。

また、セミファイナルでは、ライト級の絶対王者BJ・ペンが判定で敗れる、まさかの王座陥落劇となった。

開始から鋭い返しのフックを度々見せるなど、この日も王者ペースかと思われた。しかし、攻勢とはいかずとも極端な出入りでBJのカウンターを封じたエドガーは、掛け逃げとも取れる(カウンターを受けないような)タッチをするようなパンチで手数を稼ぐと、BJからテイクダウンを奪い、その絶対的な強さを封印する上手さを見せたのだった。

その他にも、アブダビの英雄ヘンゾは、マット・ヒューズのパンチに轟沈、TKO負け。注目のライト級戦はドスアンジョスが、エティムから腕十字で一本勝ちを挙げた。

第10試合 UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R
[王者]
○アンデウソン・シウバ
(ブラジル)
5R終了
判定
詳細はコチラ
[挑戦者]
デミアン・マイア×
(ブラジル)
第9試合 UFC世界ライト級選手権試合/5分5R
[王者]
×BJ・ペン
(米国)
5R終了
判定
詳細はコチラ
[挑戦者]
フランク・エドガー○
(米国)
第8試合 ウェルター級/5分3R
×ヘンゾ・グレイシー
(ブラジル)
3R4分40秒
TKO
詳細はコチラ
マット・ヒューズ○
(米国)
第7試合 ライト級/5分3R
○ハファエル・ドスアンジョス
(ブラジル)
2R4分30秒
腕十字
詳細はコチラ
テリー・エティム×
(英国)
第6試合 ミドル級/5分3R
ケンドール・グローブ
(米国)
2R2分50秒
TKO
詳細はコチラ
マーク・ムニョス
(米国)
第5試合 ライトヘビー級/5分3R
×アレクサンダー・グスタフソン
(スウェーデン)
1R4分55秒
アナコンダチョーク
詳細はコチラ
フィル・デイビス○
(米国)
第4試合 ウェルター級/5分3R
×ニック・オシベチェック
(英国)
3R終了
判定
リック・ストーリー○
(米国)
第3試合 ウェルター級/5分3R
×ブラッド・ブラックバーン
(米国)
3R2分8秒
TKO
ダマルケス・ジョンソン○
(米国)
第2試合 ライト級/5分3R
○ポール・ケリー
(英国)
2R3分41秒
ギロチンチョーク
マット・ビーチ×
(米国)
第1試合 ヘビー級/5分3R
×ムスタファ・アルトゥルク
(英国)
3R終了
判定
ジョン・マジソン○
(米国)