“あの上司、使えないよな”と言われないために

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 企業で働いていれば、周囲の人間関係にストレスを感じることはよくあります。特に管理職として部下をマネジメントする立場の人の中には「部下がバカで…」という不満を持っている人も多いのではないでしょうか。
 「社員の一体感」を前提とした企業活動が機能していた時代に入社した人間からみたら“阿吽の呼吸”を理解できない今の部下は確かに「バカ」に見えてしまうはずです。しかし、逆もまた然りだというデータがあります。

 2005年にアメリカの大手コンサルティング会社・タワーズぺリン(現タワーズワトソン)が行った調査によると、管理職の質について「低い」または「非常に低い」と答えた従業員の割合は日本が40%で、対象となった16カ国で最も高く、グローバル平均値の26%を大きく上回っています。日本は上司への不満を持っている人が他の国よりもかなり多いのです。
 このように、各企業・各職場ごとの特色はあるのでしょうが、全体としてみると、日本の上司と部下の関係はあまりいいものとはいえません。
 この溝を埋めて、世代や育った環境の違う部下たちを上手くマネジメントするには、どんな能力が必要なのでしょうか。

■異文化適応型上司になる
 世代が違う人との間には、自分が思っているよりも大きな価値観や考えの違いがあると考えるべきです。特に若い部下と接する上司は、外国人と接するくらいの心構えを持つべきで、“異文化適応型上司”になる必要があります。
 では“異文化適応型上司”になるには、どうすればいいのでしょうか。

1.他文化を受け入れる柔軟性を持つ
 今までの自分の経験を部下に押し付けるだけでは、マネジメントはうまくいきません。「自分が正しくて、相手が間違っている」という態度は、育った環境や世代の違う人間にとっては受け入れがたいものです。客観的事実に基づきつつも、お互いの考え方の違いを認識できる柔軟性を持つことが大事になります。

2.「自己調整度」を高める
 「自己調整度」とは「相手が自分をどう見ているのかを考えながら、自分の思考や行動を調整していける能力」を指します。これは、「相手の顔色を伺う」のとは違い、自分の主張を明確に示したうえで、それに対して相手がどう思うかを客観的に考えられなければなりません。

3.心身の「安定度」を高める
気分屋であるということは、個人的な気質の問題ではありますが、企業で働く者としてはマイナスです。部下が上司の顔色を常に伺っているような職場では、部下も能力を発揮しにくいもの。心身を安定させることを心がけ、自分の殻に閉じこもらずに人付き合いができる能力を磨きましょう。

 『「上司が無能」で「部下がバカ」なのには理由がある』(可兒鈴一郎/著、朝日新聞出版/刊)にはそれぞれに異なったバックグラウンドを持つ部下たちをいかに束ねていくかが記されています。初めて部下ができた、昇進したなどで、マネジメントについて考えることの多い4月。デキる上司を目指すなら是非手に取ってみてください。
(新刊JP編集部/山田洋介)

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