飼い主を強盗から守り失踪した犬、ネットの“捜索願”で2か月後発見。

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米国で今年1月、男性がコンビニエンスストアで強盗に襲われる事件が発生した。このとき、車の助手席に乗っていたペットの犬が強盗に飛びかかり、飼い主の命を守るお手柄を見せたのだが、犬は事件現場の混乱の中で姿を消し、そのまま行方不明に。しかし、コミュニティサイトなどで情報提供を呼びかけた結果、3月末に犬を無事に発見し、飼い主の男性も大喜びしているという。

事件が起きたのは今年1月22日、テキサス州ウェスラコにあるコンビニエンスストアでのこと。米地方紙ザ・モニターによると、この日の夜、34歳のレオン・エスカロンさんはオスで9歳のボクサー犬バスターをピックアップトラックの助手席に乗せて、コンビニエンスストアへと向かう。そこで腕を振る男を目にしたエスカロンさんが不審に思っていると、19歳のその男はトラックのドアを開けて、エスカロンさんの顔に銃を突きつけた。

よもやの展開になす術のないエスカロンさんだったが、窮地を救ったのは助手席のバスターだ。飼い主の危険を察知したバスターはすぐさま助手席から男に向かって飛びかかると、銃口はエスカロンさんからバスターへと向けられ、銃声が鳴り響いた。照準から外れたエスカロンさんはそのまま強盗と取っ組み合い、銃を男の手から引き離すと、偶然現場を通りかかった警官によって事件は解決。ところが警官が到着したとき、エスカロンさんは西の方へ走り去っていくバスターの姿を目にすると、愛犬は姿を消してしまう。

「私は独身で、家に帰るといつも話しかけていた」「(バスターは)私の生きがい」(ザ・モニター紙より)と語るエスカロンさんは、この出来事にショックを隠せなかった。警官の協力も得て捜索をしたものの、バスターに繋がる手掛かりはなし。すると、話を知ったエスカロンさんの家族もバスター探しに協力してくれた。

エスカロンさんの叔母にあたるトリーシャ・シスネロスさんは、コミュニティサイトのクレイグスリストにバスターの写真を掲載。エスカロンさんを「諦めちゃだめ、彼を見つけなきゃ」(米放送局CBS系列のWHIO-TVより)と励まし続けたという。 

そしてバスターが姿を消してから2か月が経った3月31日、エスカロンさんらの努力が報われるときが来た。シスネロスさんのもとに、匿名の男性から「ドナという街の埋め立て処分場の近くで鎖で繋がれている」との連絡が入ったという。シスネロスさんとエスカロンさんがその場所に向かうと、そこにいたのは間違いなく愛犬のバスター。事件後に運良く人に助けられ、世話をされていた。  

2か月ぶりに再会を果たしたバスターは、鎖から離すと一目散に見慣れたトラックの助手席に飛び込んだという。「彼はすぐに私とわかってくれたよ」と、元気な姿に大喜びのエスカロンさん。世話をしてくれた人も「バスターが無事に飼い主のもとに戻れたことを喜んだ」と、WHIO-TVは伝えている。