不況なのに儲かる、でも過酷な“企業再生”の現場―『会社再生ガール』

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 長い不況にあえぐ日本。2009年の企業の倒産件数は1万5480件と前年を下回ったものの、世の中にはいまだ閉塞感が漂っている。
 ところが、こんな時期だからこそ引く手あまた、という仕事がある。

 それが“企業再生”だ。
 企業再生の専門家で、T&Tフィナンシャルグループ代表取締役を務める田中伸治さんは「(企業から)相談を受ける回数は非常に増えましたね」と、その状況を語る。

 田中さんは「経理畑あがりの経営コンサルタント」という変り種。不動産業界や建設業界などを中心に幅広い業種の企業再生を行っており、その経験に基づいて執筆した初めての書籍『会社再生ガール』を、青月社から出版した。

 書籍の出版を記念して行われた公認会計士・山田真哉さんとの対談の中で田中さんは、企業再生は「ヤクザと交渉しているのと同じような感覚のときもある」と話す。
 また、田中さんが主に相談に乗るのはCFO(最高財務責任者)がちゃんと定まっていない中小企業が多く、「経営者が危機感を持っていないと、こちら側が最適なスキームを提案しても、認識のズレがあって受け入れてもらえない」と実情を明かす。

・田中伸治さん×山田真哉さん『会社再生ガール』出版記念対談はこちらから!

 経営コンサルタントは人を説得する力が必要であり、いかに相手に危機感を持たせるかが重要だ。しかし、特に中小企業の経営者は客観的に自分の会社を見つめる視点を持たないと、危機感を持たせることは難しい。

 「人のふり見て我がふり直せ」

 『会社再生ガール』は25歳のキュートで強気な女性コンサルタント・相馬明日美が大学の後輩の実家が経営する老舗旅館を立て直すべく奮起し、様々な人を巻き込みながら老舗旅館を再生していくというビジネスノベルだ。
 経営者は本書を自分の企業と重ね合わせてみて読んでみて欲しい。自分の企業の状態を客観的に捉えることができるのではないだろうか。
(新刊JP編集部/金井元貴)


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