「亀田史郎は世界一の名トレーナー」ボクシング界に飛び交う怪文書にJBCの対応は?

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 亀田史郎氏の暴言騒動の舞台裏で、不可解な怪文書が飛び交っている。複数のボクシングジムなどに送りつけられているその文章の内容は、史郎氏から「クビをとってやる」などと恫喝されたJBC(日本ボクシングコミッション)の安河内剛事務局長を執拗に糾弾するもの。

 安河内氏が亀田に不利な言動を繰り返していることが、「日本のボクシング界が低迷している原因である」とし、亀田兄弟を育てた史郎氏を「世界一の名トレーナー」などと絶賛している。問題は、そうした文章の作者が、一部で政財界や裏社会にも顔が効く"フィクサー"のX氏で、ボクシング界の一部からも「安河内剛事務局長はX氏に頭が上がらない」という声が聞こえてくることだ。

 史郎氏の暴言騒動は、WBC世界フライ級タイトルマッチで亀田興毅がポンサクレックに判定で敗れ、王座を明け渡した27日の試合直後に起こったが、X氏の名前が記された問題の文章は、筆者が把握しているだけで、試合の直前に2回、試合後に2回の計4回流されている。

 試合前のうち、21日付の1通は、今のボクシング界が数人の「ボス猿」に牛耳られており、その「腰巾着」だと指摘された安河内事務局長が、業界で注目されているファイトマネーの未払い紛争について、公明正大な対応をしていないなどと批判している。

 ちなみに、文章に「ボス猿」の実名やファイトマネー問題の当事者名は記されていない。だが、「読めば、チンピラボスとも書かれた1人が、亀田ジムとファイトマネーの支払い訴訟を続けている協栄の金平桂一郎会長であることは、すぐに分かる」(中堅ジム会長)という内容となっている。

 25日付の2通目では、一部ボス猿が業界を動かすことで、テレビのボクシング離れが起こり、ボクシング人気が低迷していると解説。そうした状況を放置するJBCの責任を問い、安河内をクビにして正常化せよと訴えている。

 一方、試合後の2通は、安河内事務局長に加えて、亀田の名前が実名となっている。

 28日付の1通では、まずは試合前の史郎氏が、JBCにライセンス停止処分の解除を要請し、東日本ボクシング協会も解除の要望書をJBCに提出したのに、安河内氏が「頑としてライセンスの発行を拒んでいる」と糾弾している。

 さらに、興毅が判定負けした原因について、「タイ陣営が裏工作を働いたからだと断定すべきである」と決め付けたうえで、安河内事務局長が、それを「黙認していた」などを責めている。

 また、30日付の文章には、こう書かれている。

「亀田史郎氏が試合の判定に抗議をして、JBCの安河内事務局長を叱り付けたことは、単に判定に対する不満があっただけではなく、これまで亀田三兄弟への悪質なイジメや嫌がらせが執拗に繰り返されてきたことに対して我慢の限界に達していた時に、今回の不正判定が明らかになったために、『安河内だけは許せない』という怒りになって爆発したのではないだろうか」

 そして、最後は史郎氏を絶賛したうえで、「亀田三兄弟こそ低迷するボクシング界再建の旗手であることを関係者は銘記すべきである」と締めているのだった。

 こうした内容について、あるボクシング関係者が、こう語る。

「X氏はかねてから亀田家との関係があって、今回の主張は、史郎氏が周囲に漏らしている不満とも、かなり重なっていますね」

 ちなみに、27日の試合に関しては、「どう見ても興毅が負けていた」(中堅ジム会長)などと大半のプロが語るだけでなく、普通のファンでさえ「興毅は手も足も出なかった感じに見えた」というように、かつてのランダエタvs亀田興毅戦のように採点の不正を指摘する声は皆無に近い。

 そうなると、単なる個人の御意見として、JBCや業界関係者も聞き流せばいいようにも思えるのだが、今回、筆者のところには、気になる話も伝わってくる。