突然ですが「憮然」「激を飛ばす」「煮詰まる」という言葉の正しい意味を説明できますか?

 2008年3月実施の文化庁の「国語に対する世論調査」の結果では、「憮然」を「失望してぼんやりとしている様子」という正解が17.1%であるのに対し、「腹を立てている」という不正解は70.8%。「激を飛ばす」を「自分の主張や考えを広く知らせて同意を求める」と正解した人が19.3%、「元気のない者に刺激を与えて活気づかせる」という間違った理解をしていた人が72.9%いました。
 
 また、「煮詰まる」を「議論が行き詰まって結論が出せない状況になる」といった間違った理解をしていた人が37.3%、「議論や意見が出尽くして結論の出る状態になる」といった正しい理解をしていた人が56.7%いました。

 その結果を報道した新聞の結論は、「国語が乱れている」という見出しとなっていました。まさにその通りなのかもしれませんが、本当の「国語の乱れ」は、言葉を正しく知らないことではなく、"故に言葉が正しく伝わらないこと"ではないでしょうか。

 「部長、憮然としていたよ」という言葉は、正解、不正解によってほぼ正反対の意味が伝わってしまいます。もちろん正しい言葉の意味がやり取りされるに越したことはないのですが、伝える側としては「怒ってたよ」という意味で使う方が合理的です。だって、70.8%の受け手がそう思っているのですから。また、「先輩、こいつに激を飛ばしてやってくださいよ」と後輩に頼まれて、自分の主張を語り同意を求めていたりしては、空気の読めない変わり者とされてしまいかねません。

 つまり、言葉は送り手側が正しく使っていても、受け手が正しく知らなければ、まったく伝わらないか、真逆の意味にとられてしまうことがあるから恐ろしい・・・。

 言葉が上手く伝わっていない場面によく遭遇するという、コピーライターの山本高史氏は、著書の『伝える本。』で、他者に上手に真意を伝えるための「言葉の技術」を紹介しています。言葉の技術を得ることができれば、プレゼンテーションの成果が上がり、世の中の言葉の嘘、間違いが容易に見破れ、人間づき合いもラクになるといいます。受け手を上手に動かすために何が必要なのか、言葉の専門家が著した一冊は、言葉が乱れている今だからこそ、一読の価値ありです。



『伝える本。』
 著者:山本 高史
 出版社:ダイヤモンド社
 価格:1575円
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