失業率5.5%の今、失業していない人は他人との「差別化」をしているか、もしくは自分に「付加価値」をつけている。そうしないと今の時代を生き残れない--と、理学博士の竹内薫氏はいいます。

 統計を見ると、日本の場合は特に若年層の失業率が高いことがわかります。例えば、直近の数字でも、大学や大学院卒の就職率が対前年度比で1.9%減っています。それだけではなく、OECD(経済協力開発機構)の調査によれば、15〜24歳の失業率が2007年度で7.7%、2009年9月時点では9.9%に上昇。2007年度の15〜24歳の長期失業率を見ると、10年前の1997年には18%だったのに対して、21%に上昇しています。

 つまり、日本では若年層が安定した職業に就いていないということが数字から見て取れます。今、15〜24歳の若年労働者の3人に1人は、派遣やパートタイムで非正規雇用。この現状からわかるのは、日本の若年層のビジネススキルは乏しいということ。スキルがないからキャリアが高まらない。したがって、日本の若年層は非正規雇用になってしまうことが分析されています。

 こうしたことからも、自分の付加価値やスキルを磨き、身につけることがいかに重要なのかがわかります。まず、第一に他の人が持っていない専門技術を磨く。第二に「プラスα」の付加価値を身につける。ここまでできれば、かなりの確率で就職しやすくなります。今は大卒があたりまえで、いわば「学歴インフレ」の状況下では、大卒というだけでは「特権」や「安心」は得られない時代です。学歴だけでなく、「プラスα」の付加価値のある人が求められ、それを持っている人が勝ち抜いていく社会なのです。

 一昔前は「法学部出はつぶしがきく」「英語ができる人はつぶしがきく」と言われていましたが、最近では、「理系・文系の両方をやっている人は、つぶしがきく」というようなレベルになっています。

 他分野に詳しいことはそれだけでも価値がありますが、別の世界の発想法を理解し、相手の心を読むこともできます。例えば、「あの人はソフトウエア一本でやってきた人だから、こういう発想でくるんじゃないか」「あの人は経済・金融一筋だから、こういう考え方をするだろう」という具合に、相手の考え方が読めるようになるのです。

 一つのことしかできない専門バカになるよりも、いろいろなことができる人材になっているほうが、自分のセーフティネットになり、失業リスクも分散されると竹内さん。現在就職活動中のみなさんは、他の人と差別化できる付加価値の重要性を認識する必要がありそうです。



『自分の価値を高める知力』
 著者:竹内 薫
 出版社:すばる舎
 価格:1575円
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