「会社員の大半は一日20分くらいしか仕事していない」

 これは、コピーライターの糸井重里氏が、とある本に書いた言葉です。ここでいう「仕事」とは、他の誰かでは代えがきかない、本当に自分の頭を絞って考えたものを指します。つまり、誰にでもできることや、誰かがやった仕事をなぞっただけでは、それは本当の意味で「仕事」とはいえないということ。ただの「作業」というわけです。

 たとえば、あなたが徹夜でプレゼンの原稿をつくったとします。パワーポイントで作られた膨大な資料と美しい図表。自分でも「仕事したなぁ」と感じるものができました。しかし、客観的に見たらどうでしょうか? そこに何か新しい考え方や、見たことのないアイデアが入っていればいいのですが、どこかにあった資料や、誰かが言っていたような言葉を、ツギハギしただけのものになっていないでしょうか?
 
 もし、そうだとすれば、それは本当の意味で「仕事」としてカウントされないのです(世の中にあふれる提案書や企画書の類いの9割以上は「作業」によって産み出されるものなのかもしれません)。

 どんなに長い会議に出ていたとしても、質問された時に適当に答えていただけとしたら、それは「仕事」をしたとはいえません。営業にいき、マニュアル通りに話して、断られて帰って来たというのも、もちろん仕事には入りません。決められた事務をこなしているだけも、同等です。

 そうやって、自分の「一日の仕事」を洗い出した時に、どれだけの仕事をしているといえますか? 20分以上やっていると言い切れる人は、実はそう多くはないのでは?

 景気は、回復の兆しがみえません。もし、今会社を離れた場合、「仕事」をしていないあなたはどうなるでしょうか。客観的に自分をみて判断してみてください。自分の力だと思っているものの何割かは、会社の看板によるものかもしれません。
 
 クリエイティブディレクターの川上徹也氏は、著書『明日、会社がなくなっても、自分の名前で勝負できますか?』で一日が終わったら、その日の業務を「仕事」と「作業」に分けることを日課とし、一年後には「作業」と「仕事」の時間を逆転させるべきだとアドバイスしています。

 まさしくタイトル通り、「あなたは、明日、会社がなくなっても、自分の名前で勝負できますか?」です。まず、自分を変えるための計画書ともいえる同書を手に取るところからはじめてみませんか?



『明日、会社がなくなっても、自分の名前で勝負できますか?』
 著者:川上 徹也
 出版社:クロスメディア・パブリッシング
 価格:1449円
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