サブプライムローンに端を発した金融危機、100年に1度の世界同時不況、リーマンショックなど、ここ1、2年、重苦しい言葉ばかりが世界中の新聞誌面を飾っています。日本も例外ではなく、多くの企業の収益が悪化し、2009年の冬のボーナス支給状況は、大企業の全業種でマイナスとなりました。

 また、厚生労働省が発表した有効求人倍率は、2006年12月の1.08倍をピークに、2009年7月には0.42倍まで落ち込んでしまいました。これは5人の求職者に対して、仕事が2件しかないということです。「失われた10年」と呼ばれたバブル崩壊後の不景気の最低値0.46倍すら下回っているのです。

 そんななか、人材スカウトを中心にキャリアアップ・中途採用・新卒採用などの講演やセミナーを行う、佐藤人材・サーチ株式会社代表取締役社長佐藤文男氏の著書『なぜ、あの人だけが採用されるのか』では、転職や再就職で採用されるタイプを、包み隠さず紹介しています。「今、絶対採りたい人」や「お金を積まれても難しい人」の特徴を、現役最前線のヘッドハンターが本音で明かしています。

 たとえば、内定を獲得する人とそうでない人の間には、"自分の売りを知っているかどうか"に大きな違いがあるそうです。

 転職先企業を選ぶ際に、自分のキャリアから外れていたり、方向そのものが決まっていない人が実に多いのだそう。自分の実務経験をふり返って、他社でも通用する専門性、すなわち"自分の売り"を明確にし、どういう方向に行けばそれを生かすことができるのかを、もう一度改めてよく考える必要があります。いくらすごいキャリをもってようと、募集側の求めるスペックに合っていなければ採用されることはないからです。

 また、"自分の売り"がはっきりとわかっているのであれば、新聞や転職サイトでの情報だけでなく、直接企業にアプローチすべきだと佐藤氏はいいます。その時点で求人がなくても、そこでコネクションをつくっておけば、その後、会社の方から連絡がくることもあります。隠れた採用ニーズを掘り起こすのも、この難しい時代を生き抜くための大切なテクニックなのです。

 いろいろなアプローチをしても、なかなか前に進めないのは、あなただけではありません。現状に焦らずに、一度落ち着いて転職・再就職のノウハウ本を読み直すことも必要なのではないでしょうか。客観的に自分を見ることが、内定獲得への第一歩かもしれません。



『なぜ、あの人だけが採用されるのか?』
 著者:佐藤 文男
 出版社:経済界
 価格:840円
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