リーガ2戦連続のハットトリック。対サラゴサ戦の2ゴール目は、中盤での競り合いに勝ち、勢いに乗ったドリブル突破でディフェンス二人を交わしてのスーパーゴール。スペイン各局のスポーツニュースでは、1996年のロナウドが対セルタ戦で見せた、グランド中央からのドリブル突破と比較し伝説のゴールが生まれたと報じた。

 サラゴサ戦翌日、各チームの監督、選手はメッシを称賛した。現在サッカー界の最優秀選手というだけでなく、マラドーナを超えるサッカー史上最高の選手に到達したとする声も聞こえている。デポルのロティーナ監督は、「メッシは今までみた選手の中で最も完璧な選手。マラドーナよりも上だと思う。もしかするとディエゴはメッシよりFKでは上かもしれないが、メッシはもっとスピードがあるし、アジリティに優れている」と語った。

 マジョルカのマンサーノ監督は、「サッカーとしてはもう止めることはできない。狩り用の銃かなんかで撃つしかない。まだ若いし、これからメッシの時代が来る。史上最高の選手である」と面白い表現を使ってメッシを称賛している。バレンシアのGKセサルは、「間違いなく世界最高の選手。パスも出せるし、ゴールも決められる。比較できるレベルにない」と絶賛だ。

 クライフ氏も自身のコラムの中で、「メッシの価値は計り知れない。チームを引っ張るだけでなく、必要な時は恐れずに向かって行く姿勢がある」と書いた。マラドーナを超えたという表現はまだ大げさな気もするが、W杯でもこのまま活躍が続けば、母国の英雄に近づける可能性は高い。メッシだけに与えられた特別なチャンス。誰も届かない異次元の世界へメッシが一歩一歩近づいている。

(スペイン通信)