■第9試合 ヘビー級/5分3R
チーク・カンゴ(フランス)
Def.3R1分16秒/TKO
ポール・ブエンテーロ(米国)

時おり姿勢を低くして、前に出るブエンテーロ。右ストレートを返したカンゴは、組みついてブエンテーロをケージに押し込んでいく。ブエンテーロは背中を伸ばされ、テイクダウンを譲ると、ガードからアームロックを狙う。腕を引き抜いたブエンテーロが立ち上がろうとすると、ボディにヒザを入れたカンゴは、腰に手を回し再びテイクダウンに成功する。立ち上がろうとしたブエンテーロはまたも腰に回ったカンゴの腕にアームロックを仕掛けるが、直後にクビをコントロールされヒザをボディに受ける。

ここでブエンテーロは立ち上がろうとしながら、左を見舞うと、顔をしかめて右手を振る。ドクターのチェックの受けたブエンテーロだが、グローブの不具合で、指の負傷ではなかったようだ。勢い勇み、試合再開に挑んだブエンテーロは、直後にカンゴのワンツーを被弾し、すぐに意気消沈。簡単にテイクダウンを許す。

ブレイク後、カンゴと交錯して打撃も受けていないのに、腰から崩れた落ちたブエンテーロは、パウンドを数発受け、向き合ってシングルを仕掛けたところでドタバタの初回を終えた。

2R、カンゴがローを交え前に出ると、再びテイクダウンから回転数の上がったパンチを見舞いバックを奪う。左のパウンドをブエンテーロに落とし、向き合ってきても腰をコントロール。タートルポジションのブエンテーロの脇にヒザを落とすのは良かったが、勢い余ってカンゴは立ち上がり際に顔面にもヒザを入れてしまう。

試合中断とペナルティで1Pを失ったカンゴは、パンチからテイクダウンを繰り返す。再びタートルのブエンテーロの脇に二―、立ち上がったところにパンチからテイクダウンと、一方的にカンゴが試合を支配する。試合がスタンドへ戻る際の攻防のなかでカンゴが、ヘッドロックからヒザをボディに入れるとブエンテーロは動きが落ち、アッパーを連続して受ける。何度目か分からないほど、テイクダウンされ続けるブエンテーロは4点ポイントでパウンドを受け、疲労困憊の様子でブレイク。スタンドでの再開というレフェリーの指示を受ける。

最終ラウンドも同じような試合展開のなか、ハーフから首を固めたカンゴが太股、さらに骨盤の当たりにエルボーを落とす――と、ここでブエンテーロがマットを叩く。UFC史上初のシチュエーションで、カンゴがタップを奪った。