日本プロ野球の歴史で、これ以上は出てこないと言われていた新たな球種がダルビッシュ有の手によって生まれた――。

テレビ朝日「報道ステーション」(19日放送分)では、野球解説者の栗山英樹氏が開幕戦直前となる北海道日本ハムファイターズのエース・ダルビッシュを直撃した。

ダルビッシュのオープン戦における投球を見て、「2シームの変化が変わってない?」と切り出す栗山氏。2シームとは、ストレートと同じ腕の振りながら、バッターの手元で微妙に変化をするストレート系の変化球だ。

この指摘に対し、「はい。ふふ、変わってますね」と不気味に笑ったダルビッシュは「2シームじゃないんですよ、あれは。まあ、あの、違いますね。似てるような球ですけど呼び方も違う」と衝撃的な事実を明かした。

オープン戦での映像を見ながら、「シーム(ボールの縫い目)を見てて下さい。一本線になっているの分かります?」と説明するダルビッシュは、ボールの回転数が上がると縫い目が一本の線のように見えることから、「全然違う球になってると思います。1シームとも0シームともいえるんですけど。なんだろ。1シームでいいんじゃないですか」と新球種を名付けた。

また、ダルビッシュは「僕的には、この1シームのほうが(2シームより)変化すると思ってるんです。真っ直ぐに近いスピードで。色んな使い方がありますよ」と語ったが、「もともとは、カーライルからメジャーのピッチャーが1シームを投げてるって言ってて、こんな感じの投げ方だって教えて貰ったんですよ。楽天で投げる二日前くらいに。一回投げてみようと思って投げ始めた」と語り、なんとダルビッシュのオープン戦初戦となる2月27日――、その二日前に知った投げ方を実践して生まれたというのだ。

その後は、投げ方や握り方を模索したというダルビッシュだが、「1週間経てば落としたり、伸ばしたりっていうのはできましたね」という仰天発言も。事実、さらに1週間後のロッテ戦では、バッターを投げる直前に予告したサードゴロに打ち取るなど、3週間ですでに思い通りの使い方を身につけていた。

インタビューの最後には、「楽しみですね。どんどん投げると思います。これ、いつ放送?(明日と聞いて)ソフトバンクの人たち見るかな」とおどけるダルビッシュ。今シーズンも日本ハムの――、いや球界のエースから目が離せない。