突然ですが、ずっと草食系のままでいることは、幸せなことだと思いますか?
 
 興味深い数字があります。日本人男性の「植物的」な傾向を裏付けるデータがあるのです。日本人男性の精子の数は、フィンランド人男性の精子の約3分の2しかないことが、日欧の国際共同研究でわかり、英専門誌と日本医師会誌で発表されました(2009年5月)。

 聖マリアンナ医大の岩本晃明教授(泌尿器科)らが参加したこの研究では、神奈川県内の病院を訪れた20〜44歳の日本人男性324人(平均年齢32.5歳)の精液を摂取したところ、日本人男性は他国の男性よりも禁欲期間が長く、日本人の精子数を100とすると、フィンランドが147、スコットランドが128、フランスが110、デンマークが104で、日本が最下位だったそうです。

 環境ホルモンの関与が疑われる精巣がんや生殖器の発生率は、日本人男性は非常に低いので、研究チームは「精子の数の違いは、栄養や生活習慣、人種差などが関係しているのではないか」と指摘しています。つまるところ、日本人男性はヨーロッパの男性よりも精子を作る能力が劣っているのですから、相対的に「植物的」になるのは仕方がないのかもしれません。

 しかし、このまま少子・高齢化がすすめば、働けない子どもや高齢者、病人などの生活を、若くて健康な労働者の所得によって支えなければならなくなるのは明らかです。まさに、草食系と言われている世代の男性が支えなければならないのです。恋愛も結婚も出産も関心がない人たちが増えれば、その分だけ政府は労働者に今よりも重税を課すことになりかねません。

 そもそも「死ぬまで独身」であることは幸せなのでしょうか? 「草食系」で生き続けると、おひとりさまの老後はほぼ確実に訪れます。一緒に生きていくパートナーもおらず、支えてくれる子どももいなければ、それまで築き上げた資産を他人に大放出しながら自分の老後を過ごすことになるわけです。

 流行の「草食系」という言葉に安心し、薄すぎる欲望が肯定されたような気になっている草食男子は、自分たちの将来を考えた方がいいのかもしれません。



『奪われた性欲』
 著者:今 一生
 出版社:毎日コミュニケーションズ
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