早川書房が創設した「アガサ・クリスティー賞」とは?

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 早川書房と早川記念文学振興財団は16日、新人作家の発掘と育成を目的とした「アガサ・クリスティー賞」を創設すると発表した。この賞は、日本で約半世紀にわたって彼女の本を出版してきた早川書房が、同氏の生誕120周年を記念して創設するものだ。

 「アガサ・クリスティー」の名前が示すとおり、この賞はミステリー作品(未発表のもの)が対象となるが、募集開始日・締切日・選考委員などはまだ明らかにされていない。

 
 アガサ・クリスティーは1890年にイギリスで生まれ、1920年に『スタイルズ荘の怪事件』でデビュー。以後1976年に亡くなるまで、100を超える作品を世に送り出した、世界で最も愛されている作家の一人だ。

 早川書房編集部の千田宏之さんは「アガサ・クリスティーというとミステリーのイメージが強いかもしれませんが、謎解き一辺倒ではなく、実際は冒険小説やスパイ、サスペンス、ロマンスなど多様な作品を残しています」と語る。

 また、賞について「かねてから海外文学の早川という定評をいただいています。この賞でもアガサ・クリスティーをはじめとする海外の文学作品を吸収した、広い意味でのミステリー作品が集まるといいなと思っています」と語ってくれたように、海外文学を多分に意識している点が既存のミステリー系の文学賞との違いと言えそうだ。

 現代小説に多大な影響を与えたアガサ・クリスティーの名を冠したこの文学賞からどんな作品が世に出るのか、注目したい。
(新刊JP編集部/山田洋介)

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