意外なことに、私たちは仕事のやり方は習っても、「意見のいい方」を習うことは少ないのではないでしょうか? しかし、仕事において、意見を求められる機会はなんと多いことでしょう。

 意見を求められる場で、アイデアを出し合う場で、いつも一味違う鋭い意見を出せる人っていますよね? 会議そのものをぐっと進展させる一言を発せられる人が。どうすれば、そんな意見やアイデアを出せるようになるのでしょうか。
 
 ベストセラー『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』の著者であり、公認会計士の山田真哉氏によれば、彼らは瞬時に鋭い視点を見つけ、それを効果的にアウトプットすることで、周囲を「なるほど」という気分にさせているといいます。そして、「説得力を身につける」には、あらゆるテクニックがあると、自著『目のつけどころ』で紹介しています。

 意見を求められて、とくに何も浮かばずに「いいと思います」と、一言で返してしまった経験はないでしょうか。その返しは、間違っていると山田さん。ここで大切なのは、賛成か反対なのかということではなく、その「具体的な理由」。たとえば、アイスコーヒーを飲んでいる人に「どうですか、それはおいしいですか?」と投げかけたとして、「はい。氷が解けても味が薄くならず、最後まで香りが楽しめました」と返ってくると、具体的な理由が盛り込まれているので、説得力があります。それが、「はい。私はアイスコーヒーが1番好きなので」になると、そのアイスコーヒーがおいしかった理由にはなりません。

 「大切なことは、具体的であると同時に自分の感情を入れないこと」。自分の感情を入れるとバカにみえると覚えておいた方がいいかもしれません。アイスコーヒーの感想くらいならば、ニコニコ笑って流してもらえますが、会議の場で自分をバカっぽくみせる必要はありません。

 具体的な理由とは、「カタチ」にして理由をあげるということ。カタチには、大小、数量、長短、高低、色、ものの形や状態から、データには見えないものまで、さまざまなものがあります。そんな、カタチをイメージできるものを入れるべきだと山田さんは指摘します。「どう思いますか」という質問は、一見、「思う」という感情を聞かれているようにみえるかもしれませんが、本当に感情で答えてしまうと「バカにみえる落とし穴」にはまることになるから気をつけましょう。

 自分の意見に自信がない人は、感情を入れない。これを意識するだけで明日からの発言がガラリと変わるはずです。

 具体的な理由を盛り込んだ意見を、さらにロジカルに見せるテクニックを加えるなら、「なぜならば」という言葉を使うこと。壁うちのように、一度「Aだ」という結論のボールを打ち、「なぜならば」をはさんで、再度「Aだ」という結論を打つと効果的です。

「『サザエさん』はおもしろい」
「なぜならば、サザエという主人公が、娘であり妻であり母であり、姉であるという多様性をもった存在だからだ」
「だから、『サザエさん』はおもしろい」

 いかがですか? 説得力を感じたのではないでしょうか?



『目のつけどころ 』
 著者:山田 真哉
 出版社:サンマーク出版
 価格:1260円
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