「北欧の小国で、世界企業のノキアが生まれた・・・なぜ?」
 「インドで、IT産業が躍進している・・・なぜ?」

 「世の中の動き」をわかりやすく理解するには、地図を広げてみるのもいいかもしれない。

 たとえば携帯電話産業。北欧のノキアとエリクソンが躍進を続けている。フィンランドのノキアは、世界市場で4割近いシェアを誇り、スウェーデンのエリクソンもインフラ(地上固定設備)の分野で世界最王手となっている。なぜ、北欧の携帯電話メーカーは強いのか? 疑問に思う人は少なくないはず。

 フィンランドもスウェーデンも、日本の20分の1ほどしか人口がなく、国内市場は小さい。かつては豊かな森林を資源とした、木製品や紙パルプなどの産業に頼っていたが、1990年以降、将来を見据えてIT中心の産業政策へ転換をはかった。
 
 このとき両国は、産学官の共同による研究開発を実施。地図をみると、ノキアが本社を置くエスポーにはヘルシンキ工科大学が、エリクソンの本社があるシスタにもスウェーデン王立工科大学が置かれている。どちらの大学にも国内最高レベルの頭脳が集まる。彼らがノキアとエリクソンの成長を支えているのは言うまでもない。この強固なパートナーシップが屈指の巨大企業をつくり、業界全体を押し上げたのだ。

 また、近年急成長をみせるインドの原動力となっているのが、IT産業。バンガロールをはじめとした国内各地で、コンピューターのソフトウェア開発がさかんに行われており、世界中の企業が研究拠点を置いている。IT産業躍進の理由は、歴史的経緯から英語が公用語の一つとして用いられていることや、伝統的に数学に強い国民性などがよく指摘される。しかし、もう一つ、意外な理由があるのをご存知?

 それは、アメリカとの"地理的な位置関係"。アメリカとインドの間には12時間の時差があり、昼夜がちょうど逆転している。インド人はこれをうまく利用したのだ。つまり、アメリカで昼間に行われたソフトの制作作業を、夜にインドが引き継ぐ(その頃インドは昼にあたる)。今度はインドの技術者が作業を行い、夜(アメリカ時間の朝)にまた送り返す。この、24時間ノンストップの作業工程を繰り返すことで、開発時間を大幅に短縮することができた。

 インドでIT産業が大躍進した背景には、こうした地理的事情も潜んでいたのだ。

 わかりにくい経済のしくみを解決するためのヒントが、地図上には落ちている。書籍『世界の経済が一目でわかる地図帳』では、経済をもっとわかりやすくする地図の見かたを紹介している。知的な小話として重宝するネタが満載だ。



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