部下も自分も心の病気にならないために―【書評】『部下が病気にならないできる上司の技術』

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 昨年、財団法人「日本生産性本部」が毎年新入社員を対象に行うアンケート調査で、55.2%が「今の会社に一生勤めたい」と回答したことが話題になった。これは、1990年の調査開始以来の最高値であり、雇用不安の影響から安定志向が強まっているためと同本部は分析していた。
 このニュースからもわかるように、今の新入社員は3年では辞めない。先輩社員は、長い目で新入社員を育てていけるということだ。
 だが逆に問題もまだある。若年層にうつによる休職者が増加しているのだ。

 WAVE出版から出ている『部下が病気にならないできる上司の技術』(松本桂樹/著)によれば、部下が心の病気にならないために上司は“できる上司”にならなければならない。できる上司はこの2つの条件を満たす必要がある。

・自分自身の自己管理
・メンタルヘルスの知識とスキル


 この中でも「メンタルヘルスの知識とスキル」は重要で、これは部下の心の病気から守ると同時に自分自身を守ることにもつながる。

 すぐ実行できる会話テクニック、最低限知るべきメンタル知識、みんなが幸せになる職場作り、上司の心の守り方、部下のメンタルマネジメント術、職場復帰時の対応術の6つの章からなる『部下が病気にならないできる上司の技術』は、すぐ実行できる会話テクニックでは、「聴くだけに留める」、がんばれ!などはNGの「サポーティブな会話」という技術を伝授する。

 「メンタルヘルスの知識とスキル」を身につけた上で、人を育てること、教育することは、自身の仕事力アップ、人としても成長することができるだろう。部下だけでなく自分の成果にもなり、会社の成長にもつながっていく。仕事や人間関係に煮詰まる前に、そんな状況を乗り越えるために、読んでおきたい1冊だ。
(新刊JP編集部/田中規裕)


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