Image by: 東京都現代美術館

写真拡大

 北キプロス・トルコ共和国出身のファッション・デザイナーであり、アーティストでもあるHussein Chalayan(フセイン・チャラヤン)による日本初の個展「 Hussein Chalayan from fashion and back(フセイン・チャラヤン ファッションにはじまり、そしてファッションへ戻る旅)」が2010年4月3日(土)より東京現代美術館にて開催される。また、会期に合わせフセイン・チャラヤンの来日が決定しており、初日には自身のこれまでの活動を振り返る「アーティスト・トーク」も予定されている。

 フセイン・チャラヤンは、1994年のデビュー以来、ファッションとアートの二つの領域を横断的に活動するクリエイターの先駆者として、大きな影響を与えてきた。一つ一つのコレクションに込められる、現代社会に対する文明史観的な批評性や魅力的な物語性、LEDやレーザー光線など最先端のテクノロジーを駆使した革新的なデザインは、英国ファッション・アワードの「デザイナー・オブ・ザ・イヤー」を2年連続で受賞するなど、国際的にも高い評価を得ている。アートの分野においても、映像作品やインスタレーションを精力的に制作し、2001年イスタンブール・ビエンナーレや2005年ヴェネツィア・ビエンナーレ(トルコ館にて個展を開催)などの国際展に参加、日本でも2007年に東京で「スキン+ボーンズ」(国立新美術館)、「SPACE FOR YOUR FUTURE」(東京都現代美術館)で一部の作品が紹介され話題を集めた。

 チャラヤンの表現は、従来のファッションという枠にはとどまらず、アート、建築、デザイン、哲学、人類学、科学といった複数の領域を横断して展開されている。その根底にはあるのは、私たちを取り巻く環境への批評的眼差しであり、とりわけ、テクノロジーや移動、文化的環境によって、身体およびアイデンティティがどのように変容するのかを服を通して探究してきた。こうしたテーマは、南北に分裂したキプロスの国境地帯で生まれ育った彼にとって、きわめて現実的な問題だったといえる。また、グローバル化時代に生きるわたしたちが共有する今日的な問題ともいえる。分断されてしまった土地に住む恋人に、自分が着た紙のドレスに手紙を書き、送れるようにしたエアメール・ドレス、バーチャルとリアルな肉体の狭間でゆれる私たちのリアリティを反映した映像が移ろうLEDドレスなど、今日的な問題を反映しながらロマンティックな想像力の輝きに満ちている。



 本展では、数ヶ月間土の中に埋めたシルクのドレスを掘り起こし、それを大学の卒業制作として発表し、一躍注目を浴びた初期の「埋められたドレス」から2009年の新作まで、この15年間の代表的なコレクションが一堂に介す他、映像作品やインスタレーションをあわせた約24点により、ジャンルを超えて展開してきた多面的な活動を本格的に紹介する。

 また、会期初日にはフセイン・チャラヤンが自身のこれまでの活動を振り返る「アーティストトーク」も予定されている。先着200名まで参加可能となっており、目の前でチャラヤンの神髄に迫ることのできるまたとない機会となっている。その他の関連プログラムも決定次第美術館ホームページにて随時発表となる。


■「 Hussein Chalayan from fashion and back(フセイン・チャラヤン ファッションにはじまり、そしてファッションへ戻る旅)」
 会期:2010年4月3日(土)〜6月20日(日)
 休刊日:月曜日(ただし5月3日は開館、5月6日は休館)
 会場:東京都現代美術館 企画展示室 B2F
 開館時間:10:00〜18:00(入場は閉館の30分前まで)
 観覧料金:一般1,200円(960円) / 大学生・専門学校生900円(720円) / 中高生600円(480円) / 65歳以上800円(640円) 小学生以下は無料
 *()内は20名以上の団体料金
 *本展チケットで同時開催の「MOTコレクション」展もご覧になれます。

■「アーティストトーク」
 日時:2010年4月3日(土) 15時〜
 会場:地下2階講堂
 参加費:無料(ただし要展覧会チケット)

【記事の写真をもっと見る】