「コラーゲン摂取は無意味」認識広がる、鍋ブームの陰で“神話”崩壊。

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鶏足などを煮込んで作るぷるぷるのコラーゲン入りの「コラーゲン鍋」をはじめ、最近は猫も杓子もコラーゲン。サプリやドリンク、お菓子やお酒、そのほかさまざまな食品や料理に採用され、「お肌がプルプルになる」とのうたい文句を掲げるモノも少なくない。しかし、そんなコラーゲンブームの一方で、当初から「口から摂取しても無意味」との指摘が相次いでいるが、メディアインタラクティブは、実際のところ女性がコラーゲンについてどのような認識を持っているのかを探るべく、25〜39歳の女性を対象にアンケート調査を行った。

この調査は全国の25歳〜39歳の女性500人を対象に、インターネットで行われたもの。まず、現在の「コラーゲン商品の摂取方法」をたずねたところ、トップは「サプリメント」(28.6%)となり、以下、「ドリンク」(28.0%)、「鍋」(24.8%)と続いた。この結果から、化粧品などよりも飲食による直接摂取が人気であることがうかがえる。

また、「今後摂取したい方法」では「サプリメント」「ドリンク」と答える人がそれぞれ約半数、次いで「鍋」が45.8%と、引き続き飲食での摂取が人気であることが分かった。

次に「コラーゲン摂取・使用によって期待する効果」についてたずねたところ、8割以上が「肌のハリがアップ」(82.2%)と回答。以下、「肌の保湿力」(65.8%)、「肌ツヤ」(54.6%)と続いた。しかし、「コラーゲン摂取よって美容的効果を感じたか」との設問では、「感じない」と回答した人が52.4%と半数以上に。効果を実感していなくても摂取を続け、美を追求するという、微妙な女性心理が表れる結果となっている。

さらに「コラーゲンが含有された商品を食べ物や化粧品で摂取しても効果がないという情報を聞いた事があるか」とたずねると、43.4%が「聞いた事がある」と回答。実際にそれらを示す実験データや研究結果が発表されているほか、雑誌や書籍でもこうした情報が取り上げられるようになってきたことから、一般認知度も徐々に高まってきているようだ。


らら女性総合クリニックの松村圭子院長によると、コラーゲンを食事などで摂取しても「消化の際に、単アミノ酸やアミノ酸2〜3個程度のペプチドまで分解されて体内に吸収される」ため、「あまり体内に入っていくことはなく、体内のコラーゲンが増えるわけではありません」。また、コラーゲン配合化粧品に関しても「角質層にまで届かず、肌表面を潤わせているというのがほとんど」とのことだ。

ただ、松村院長も人間の体にとってシワやたるみなどの皮膚トラブルを防ぐためにコラーゲンの摂取が重要であることは認めている。そこで最近注目を集めているのが“生コラーゲン”と呼ばれる成分。これまでは非常にコストが高く、市販の化粧品への配合が難しいとされていたが、「研究開発が進み、“生コラーゲン”を配合した美容液が一般発売されるという話もあり、今後化粧品業界では生コラーゲンへの注目が高まる」と見ているという。