議会で決められ、違反すると罰則を科せられることもある「条例」をはじめとする地方独自のルールには、ゆるキャラならぬ「ゆるルール」や、大真面目だけれども外からみるとちょっと変な「ずれルール」など、楽しいルールがたくさんあります。たとえば、石原都知事が直々にネーミングした「しゃれた街並みづくり推進条例」や、りんごの普及促進のために、町民の責務を定めた青森県板柳町の「りんごまるかじり条例」などがあります。

 その珍しい条例のなかでもひと際目立つのが、「母と子と父にやさしいまち」を目指す山口県光市の「おっぱい都市宣言」。

 『「おっぱい」何と温かく、優しい言葉でしょう。「おっぱい」をとおした母と子の穏やかなふれあいは、真に生きる力を持つ、心豊かでたくましい若者を育ててくれることでしょう。そして、この若者たちが"母と子と父そして人にやさしいまち光"で子育てを楽しみながら、このまちに住み、まちとともに輝くことを夢みて、ここ光市を「おっぱい都市」とすることを宣言いたします。(抜粋)』

 世界に誇れるほどの珍宣言ですが、取り組みは真剣そのもの。きっかけは1994年に光市制50周年を記念して開催された「第1回おっぱいまつり」。当時は、育児相談や講演会など素朴な催し物だけでしたが、それから15年のうちに「ハイハイ競争」や「おさかなに触れるプール」「おもちゃ病院」「はしご車体験」などのアトラクションを擁し、「おっぱいの歌」「おっぱい体操」が広まって、劇的な進化を遂げました。会場は、親子連れの市民でごったがえし、移動もままならないほどの盛況ぶりをみせるそうです。年に一度、日曜の朝9時半にあつまり、正午にはあっさり終了。翌日の通常業務に向け、すぐに機材の撤収が行われる。夢か幻のような「おっぱいまつり」の一瞬一瞬を市民は精いっぱいしゃぶりつくす−−。そこには儚さを感じる「祭り」本来の姿があると言う人もいます。

 「子育ての街」として「おっぱい都市宣言」を掲げた光市の母乳育児率は、全国平均を大きく超える約70%をマークし、具体的な成果を着実に積み上げているとのことです。



『47都道府県これマジ!?条例集』
 著者:長嶺 超輝
 出版社:幻冬舎
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