中村俊輔の横浜F・マリノス復帰について、進捗状況が連日報道されているね。昨夏にもそういう話があったが、結局交渉が決裂し、中村はスペインのエスパニョールに移籍した。そこで思うように出場機会を得られていないことから、来るW杯本大会への不安もあり、横浜帰還を再び考えたわけだ。

世界トップレベルのリーグから日本に復帰するデメリットと、W杯に出られないかもしれないリスクを天秤にかけたときに、後者の回避を選んだのだろう。かなり追い込まれているのが想像できる。とはいえ、試合に出られないのなら、試合に出られる場所を求めて移籍する、というのはサッカー選手として当然のことだ。基本といってもいい。森本も考えたほうがいいんじゃないのかな。

復帰はまだ完全に決まったわけではないけど、もし帰ってくれば、代表メンバー争いは激戦になる。『海外組』というブランドバリューがなくなり、みんなと同じリーグで、平等に競うことになるんだ。というかそうならなかったら意味がない。

岡田監督はJリーグで結果を出す出さないに関わらず、同じメンバーで固定し、しがない試合を繰り返してきた。それで結果が出ているのなら問題ないのかもしれないが、そうじゃないからサポーターもブーイングしているんだ。
もう一度メンバー選考を白紙に戻して、リーグ戦で結果を残している選手がちゃんと選ばれて活躍できるチームにしてもらいたいね。

それから、この中村の一件で、改めて日本人選手のレベルがわかりやすく証明された。スペインやイングランド、イタリアなど、欧州トップクラスのリーグでは、たとえそれが下位チームであろうと、中心選手になれるだけの力を持った日本人選手はいない。
しかし、日本のメディアはそれを正確に伝えていない。本質を報じることより、とにかく売ることだけを考えている。中村も松井も森本も、まるでみんなスーパースターだよ。でも、現実はどうだろう? 

だから、一昨日チャンピオンズリーグでプレーした本田圭佑の現状を賞賛するのも時期尚早。彼はまだ何も成し遂げていない。騒ぎすぎてはダメだ。長い目で見守りましょうよ。(了)