セリエAで厳罰処分が科されてから一夜明け、チェルシーとのチャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦ファーストレグを翌日に控えた23日、インテルのジョゼ・モウリーニョ監督は記者会見でイタリア国内での問題について答えず、チェルシー戦に関する質問にだけ応じた。

「イタリアのリーグで起きたことについて話すための記者会見ではない。ここではCLのことだけを話す。そうしなければいけないからで、私が話せるのはインテル対チェルシー戦のことだけだからだ」

「チェルシーとの勝負は180分間の戦いだ。もしくは、30分プラスになるかもしれない。最初の試合は重要だ。だがもちろん、セカンドレグがもっと重要なのは当たり前だよ。ファーストレグが終わっても、どちらが突破するかが分かることはほぼないが、セカンドレグの後はそうだからね」

「チェルシーのことはよく知っているが、これは簡単になるということではない。難しくなる場合だってある。持っている情報をセレクトし、選手たちに伝えることができなければ、問題を抱えることになるからね。チェルシーに行って1年目、私はポルトと対戦したが、簡単ではなかった。それに、(カルロ・)アンチェロッティだってインテルとミラノのことをよく知っている」

モウリーニョ監督は戦術面で大きなニュースはないと見ているようだ。

「ダイヤモンド型中盤の4-4-2と、4-3-3の2つのフォーメーションを見た。2004年から使っているフォーメーションだ。我々を驚かせるために、この数日で変えてくるとは思わない。特に、これだけ重要な試合だからね。このシステムで彼らは強く、選手たちの特徴に適している。どちらかのフォーメーションでくると思っているし、もしも変えてきたら驚きだね」。

アンチェロッティ監督の発言(同監督自身は否定)については、次のようにコメントしている。

「彼が、イタリア全土が私に反発して相手を応援すると言うなら、彼はそのことを知っているか、誰かから言われたか、もしくは彼自身がその一人ということだろう。だが、私は常に自分の仕事をするだけだ。サッカーの試合をするためだけにここにいる。子供のころから最も好きなことだ。それ以上のことはない」

また、どちらが確実に有利ということもないようだ。

「クオリティーのある2チームだ。どちらが有利とか言うのは難しい。チェルシーがドロー狙いで戦うことはないし、インテルだってそれはない。興奮するだろうし、できればスペクタクルになってほしい。ビッグクラブ同士の対戦だと、素晴らしいショーにならないこともあるけどね。良い試合にならなかったら、残念だよ。ハードな相手だからといって、明日のインテルがいつもより守備的になることはない」

モウリーニョ監督が着ていた上着には、スクデットのマークが入っていなかった。記者からそれを指摘されると、同監督は驚いたかのように「誰かが奪ったに違いない。だが、インテルのエンブレムがある。そしてそれは、より重要なものだ。これまでにしたことがないことをしよう。キスするよ」と言って、エンブレムにキスをした。インテルファンは喜んでいることだろう…。