「クラシック本番も来日してこの馬に乗りたいね」と、デムーロが語っていたのも、あながちリップサービスではない。

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「クラシック本番も来日してこの馬に乗りたいね」と、デムーロが語っていたのも、あながちリップサービスではない。 写真一覧(2件)
 イタリアの競馬といえば、バルジューやデムーロが来日して活躍したり、ヴィータローザが種牡馬として渡っていたりして、日本のファンの皆さんにも馴染みが深いと思う。そんなイタリアの競馬が、財政的に危機的状況に陥っている。イタリア競馬は今、ちょうど日本の地方競馬が抱えている問題と同じ局面に立たされているのだ。

 ローマ時代からイタリアの競馬は貴族たちに親しまれ、フランスと共にヨーロッパの競馬そのものを引っ張ってきた。しかし、その経営はあまりにもずさんだった。アバウトに経営してきたツケが回り、ついにヨーロッパの「生産者基金」という団体は、イタリアを除名処分にしたのだ。

 これにより何が起こったかというと、強い馬、有名な馬が海外に流出してしまった。となると当然、競馬の人気も落ちる。ゆえに馬券が売れない。UNIRE (日本でいうところのJRA)は、この問題が解決しない限り、サンシーロやカパネッレという国内の二大競馬場(府中と京都のような感じ)での開催を認めない方針を打ち出している。

 農務省(日本でいう農林水産省)がどのような結論を出すか、今週末には会合が持たれる見込みだが、その顛末は規模の縮小化か、はたまた全面中止なのか…。これ、実は日本の競馬にも大きな影響をもたらす可能性がある。そう、それは騎手の面だ。

 デムーロは今年も来日し、すでに12勝を挙げている。京都牝馬Sをヒカルアマランサスで、きさらぎ賞をネオヴァンドームで制しているように、本気度が昨年末とは違うように映る。きさらぎ賞のレース後「クラシック本番も来日して乗りたいね」と語っていたのは、あながちリップサービスではないだろう。だって自国の競馬がとんでもない事になってるんだからね。

 そしてデムーロを介して、これから腕達者なイタリア人騎手が、大挙来日することも容易に想像できる。今の状況のイタリアで1年間乗るよりも、短期免許を取って3カ月だけでも日本で乗るほうが、よっぽど稼げるからだ。イタリア競馬の経営危機は、日本のジョッキーたちにも影響を及ぼしかねないということ。もはや「対岸の火事」では済まされない。
(高井大輔)


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