とある会社で、次のような会話が交わされています。

「知ってる? もう40歳以上は課長に上げないって」
「ウソだろ? いままで40歳から45歳で、成績のいい人間から順に上げていってたじゃない。俺たち90年入社組ももう42歳。来年くらいには上がるだろ?」
「それがさ、俺たちバブル入社は前後に比べて倍くらいいるだろう? どこのポストも順番待ち。全員を上げるまで待ってたら、その下の団塊ジュニアなんて定年まで管理職には上がれないよ」
「・・・・・・」
「それでさ、もうバブル組は切り捨てて、30代の優秀者を抜擢するらしい。会社としても組織を若返らせたいから、無理もないな」

 日本はいまも変わらず年功序列の国です。成果主義だなんだといっても、横並びの初任給からスタートし、中高年ほど給料が高い現実は変わっていません。この制度においては、若い間は安い給料で我慢しつつ、40歳を過ぎてからの処遇で報われることになります。

 ところが現在、この制度は深刻な機能不全を起こしていると、『若者はなぜ3年で辞めるのか?』の著者・城繁幸氏は指摘します。1990年入社の大卒者で課長以上に昇格している人間がたったの26%しかないというデータがあるのです(2007年、読売新聞社大手100社対象調査)。

 現在、大手企業では組織の若返りをはかるために、30代後半での幹部抜擢(課長級)が主流になってきているそうです。この流れでいくと、バブル世代の7割は生涯をヒラ社員で終えることになります。さらに、35歳以降の昇級を据え置く狙いは、実はほかにもあるのです。

 城氏によると、ある大手電機や新聞社は定年までに得る賃金の最も高い金額のピークを、40歳前後に引き下げようと労使で交渉中とか。仮に40歳が昇級ピークになるとして、厚生労働省の賃金構造基本統計調査をもとに算出してみると、大卒男性社員の生涯賃金は1990年代半ばと比較して3割近く低下する計算になります。つまり、経済が低成長の今、社員の生涯賃金を下げるのが真の狙いというわけです。

 35歳で昇級がストップし、生涯賃金も3割ダウン。将来は安泰だと思って大企業に入社した人にとっては由々しき事態です。なんとか、この現実を変えることはできないのでしょうか?

 城氏の最新刊『7割は課長にさえなれません』では、日本の企業が抱える雇用問題の真相と、明るい未来にするためのヒントが披露されています。企業で働くサラリーマンは読まないと、知らぬ間に損をしてしまうかもしれません。



『7割は課長にさえなれません 』
 著者:城 繁幸
 出版社:PHP研究所
 価格:735円
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